概要
鼻水は鼻汁や鼻漏とも言います。もともと鼻水は1日に約1.5リットル分泌されており、鼻の粘膜を潤すためにあるので、これ自体は病気ではありません。鼻水の量が多くなったり、粘り気が出てきたり、色が変化してきたりすると病的なものとなります。膿のようにどろどろの黄色い鼻水(膿性鼻漏)や水のようにさらさらの鼻水(水様性鼻漏)、粘り気の強い鼻水(粘性鼻漏)、血が混じった鼻水(血性鼻漏)などがあります。
鼻水の種類による原因
膿性鼻漏
急性副鼻腔炎、慢性副鼻腔炎、鼻腔異物、鼻副鼻腔腫瘍など
いわゆるちくのう症で多く生じます。鼻や副鼻腔が細菌や真菌などにより感染し、炎症を起こして、膿性鼻漏が出てきます。
水様性鼻漏
アレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎、急性鼻炎(鼻かぜ)の初期など
主にはアレルギー性鼻炎で生じますが、急性鼻炎(鼻かぜ)の初期でも生じます。鼻かぜはウイルス性であり、初期の段階ではアレルギー性鼻炎との見分けが難しいですが、進行すると細菌感染を伴い膿性鼻漏になることがあるので、抗菌薬の治療が必要になることがあります。
粘性鼻漏
慢性鼻炎、慢性副鼻腔炎、好酸球性副鼻腔炎など
水様性鼻漏が感染を伴い、膿性鼻漏に移行するときに生じたり、副鼻腔炎が慢性の時期に生じます。慢性副鼻腔炎が感染をベースに起こる(好中球という白血球の一種が集まる)のに対して、好酸球性副鼻腔炎はアレルギーをベースにして起こる(好酸球という白血球の一種が集まる)もので、嗅覚障害(においがわからない)や両鼻の鼻茸(ポリープ)、気管支喘息を合併することがあります。したがい、慢性副鼻腔炎よりも治りにくく、難病に認定されております。
血性鼻漏
子どもや鼻炎の方ですと鼻をほじったり、鼻をかみすぎたりして鼻に傷ができて鼻水に血が混じることがあります。鼻や副鼻腔の腫瘍、特に悪性腫瘍ですと周りの組織を破壊して、血が混じった鼻水が出ることがあります。また、異物(虫やおもちゃなど)が入ったり、副鼻腔が真菌(カビ)に感染すると出血して鼻水に血が混じることがあります。長引く片鼻の血性鼻漏は腫瘍や異物、真菌症の可能性がありますので、早めに耳鼻咽喉科を受診することをお勧めします。