ステロイド薬について

耳鼻咽喉科での使い方・効果・副作用
「ステロイド」と聞くと、
「副作用が心配」
「強い薬では?」
「飲んでも大丈夫?」
と不安に感じる方もいらっしゃると思います。
ステロイド薬は、炎症や腫れを強力に抑える作用を持つ薬です。
耳鼻咽喉科では、突発性難聴や顔面神経麻痺、嗅覚障害、のどの強い腫れなど、さまざまな病気の治療に使用します。
適切な量・期間を守って使用することが大切な薬です。
ステロイド薬とは?

ステロイドホルモン(副腎皮質ホルモン)は、もともと私たちの体の中で副腎から作られているホルモンです。
このホルモンには、
- 炎症を抑える
- 腫れやむくみを抑える
- 過剰な免疫反応を抑える
などの働きがあります。
この作用を治療に利用したものがステロイド薬です。
「特別に怖い薬」というわけではなく、病気や症状に合わせて適切に使用することが重要です。
耳鼻咽喉科ではどんな病気に使うの?
耳鼻咽喉科では、主に次のような病気でステロイド薬を使用することがあります。
耳の病気
突発性難聴、顔面神経麻痺など
神経周囲の炎症やむくみを抑える目的で使用します。
鼻の病気
嗅覚障害、アレルギー性鼻炎、鼻茸を伴う副鼻腔炎など
鼻粘膜の炎症や腫れを抑えるため、点鼻薬などを使用します。
のどの病気
咽頭・喉頭の強い炎症や浮腫など
のどの腫れを速やかに抑える必要がある場合に使用することがあります。
耳や皮膚の炎症
外耳炎など
ステロイドを含む点耳薬や軟膏を使用することがあります。
ステロイド薬にはいろいろな使い方があります

ステロイド薬というと「飲み薬」をイメージされるかもしれませんが、病気に応じてさまざまな方法で使用します。
① 飲み薬
突発性難聴や顔面神経麻痺などでは、プレドニゾロンなどのステロイド薬を内服することがあります。
一定量から開始して、病気や投与量に応じて徐々に減量する場合があります。
処方された量・日数を守って服用することが大切です。
② 点滴・注射
のどの強い腫れなど、速やかに炎症や浮腫を抑える必要がある場合には、ステロイド薬を点滴・注射で投与することがあります。
症状に応じて必要な量・期間を判断します。
③ 点鼻薬・点耳薬・軟膏
鼻や耳など、炎症が起きている場所に直接ステロイド薬を使用する方法です。
例えば、
- アレルギー性鼻炎 → ステロイド点鼻薬
- 嗅覚障害 → ステロイド点鼻薬
- 外耳炎 → ステロイドを含む点耳薬・軟膏
などがあります。
局所に使用する薬は、一般的に内服薬と比べて全身への影響が少なくなるように使用できます。
「ステロイド=副作用が怖い薬」ではありません
ステロイド薬の副作用は、
「どのくらいの量を」
「どのくらいの期間」
「どのような方法で」
使用するかによって大きく異なります。
特に問題となる副作用の多くは、比較的多い量を長期間使用する場合に注意が必要となるものです。
耳鼻咽喉科では、病気によって比較的短期間の治療として使用することも多くあります。
必要以上に怖がる必要はありませんが、安全に治療するため、医師の指示どおり使用することが重要です。
ステロイド内服中に特に注意すること
自己判断で薬を減らしたり、中止したりしない
ステロイド薬は、投与量や投与期間によっては徐々に量を減らして終了する必要があります。
症状がよくなったからといって、
「もう治ったから飲まない」
「副作用が心配だから半分にする」
など、自己判断で変更しないでください。
必ず処方された方法で服用してください。
ステロイド薬の主な副作用
副作用は、投与量・投与期間・投与方法によって異なります。
特に長期間使用する場合には、次のような副作用に注意します。
感染症
免疫反応を抑えるため、感染症にかかりやすくなったり、もともとある感染症が悪化したりすることがあります。
血糖値の上昇
血糖値が上昇することがあります。
糖尿病のある方は、必ず診察時にお知らせください。
血圧上昇・むくみ
体内に塩分や水分がたまりやすくなり、血圧上昇やむくみがみられることがあります。
胃腸障害
胃の不快感などがみられることがあります。必要に応じて胃薬を併用します。
不眠・気分の変化
眠りにくくなったり、気分が高揚したりすることがあります。
眼への影響
長期間使用する場合などには、白内障や緑内障に注意が必要です。
骨への影響
長期間使用すると、骨粗しょう症のリスクが高くなることがあります。
そのほか、投与量や期間によって、食欲増加、体重増加、満月様顔貌、にきび、筋力低下などがみられることがあります。
診察時にお知らせいただきたいこと
ステロイド薬による治療を安全に行うため、次のような病気・状態がある方は診察時にお知らせください。
- 糖尿病
- 高血圧
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
- 緑内障・白内障
- 感染症の治療中
- B型肝炎・C型肝炎を指摘されたことがある
- 妊娠中・授乳中
- 他の医療機関でステロイド薬を使用している
また、現在服用している薬がある場合は、お薬手帳をご提示ください。
ステロイド治療で大切なこと
ステロイド薬は、炎症や腫れを強力に抑えることができる、耳鼻咽喉科診療でも重要な薬です。
一方で、投与量や投与期間によっては副作用に注意する必要があります。
大切なのは、
① 必要なときに適切に使用する
② 決められた量・期間を守る
③ 自己判断で中止・増減しない
ことです。
楓みみはなのどクリニックでは、病気の状態や患者さんの持病などを確認しながら、ステロイド薬による治療の必要性を判断しています。
ステロイド薬について心配なことがありましたら、診察時に医師へご相談ください。
一宮市・尾張・西濃地域で耳・鼻・のどなどでお悩みの方へ
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執筆・監修医師紹介

中下 陽介(なかしもようすけ)
院長・医学博士・耳鼻咽喉科専門医
耳・鼻・のどの症状でお困りの患者さんに安心して受診していただけるよう、一人ひとりの症状や生活背景に合わせた分かりやすい診療を心掛けています。
当院では、専門的な知識と経験を生かし、適切な検査・診断・治療をご提案しています。気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。
主な資格・認定
- 日本専門医機構認定耳鼻咽喉科専門医
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定補聴器相談医
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定騒音性難聴担当医
- 日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- 嚥下トレーニング協会認定講師
- 日本レセプト学会認定レセプト管理士
- 博士(医学)広島大学
- 補聴器適合判定医師




