原因

歯などで唇を傷つけた際に、唇の中で唾液上の液体がたまってしまい、水ぶくれのようなできものが作られてしまうからです。なお、悪性ではありません。20歳以下の若年者に多くみられます。

症状

一般的に痛みはなく、やわらかく球状にぷっくりと腫れているだけです。下唇にできることが多く、唇の真ん中にはあまりできず、左右のどちらかに寄った場所にできます。

特徴

大きさは1cm以下のものが多く、噛んだりするとつぶれて、中から粘っこい透明な液体が出ます。いったんつぶれると治ったように見えますが、しばらくすると再発して腫れることが多いです。また、何度もつぶれると、表面がだんだん白く硬くなってきます。しばらくすると、また腫れることが多いです。

治療

悪性ではないので、放置していても構いませんが、つぶれるたびに大きくなったり、硬くなることもあります。気になるのであれば、手術にて摘出することをお勧めします。手術は局所麻酔で行います。手術時間も約30分程度と短いため、日帰り手術で行います。のう胞の周囲を切開して、のう胞とその深部にある小唾液腺という唾液を作る組織の一部を合併して切除し、再発しにくくしています。また、ステロイド軟こうを塗る処置を行うこともありますが、治りにくいです。

*現在、当院ではこの手術は実施しておりません。実施可能な総合病院に紹介させていただきます。

執筆・監修医師紹介

医師 中下陽介院長/医学博士
楓みみはなのどクリニック 院長 中下 陽介

経歴

    • 関西医科大学 医学部医学科 卒業
    • 広島大学大学院 医歯薬学総合研究科 卒業
    • 広島大学関連病院勤務
    • 木沢記念病院 耳鼻咽喉科 副部長
    • 岐阜大学医学部付属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 助教(臨床講師)
    • 中濃厚生病院 頭頸部・耳鼻咽喉科 部長
    • 楓みみはなのどクリニック 院長

認定・資格

    • 日本専門医機構認定耳鼻咽喉科専門医
    • 日本耳鼻咽喉科学会認定補聴器相談医
    • 日本耳鼻咽喉科学会認定騒音性難聴担当医
    • 日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
    • 日本医師会認定健康スポーツ医
    • 博士(医学)広島大学
    • 補聴器適合判定医師

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