唾液腺炎|耳の下・あごの下が腫れる、痛む原因
唾液腺炎|耳の下・あごの下が腫れる、痛む原因
「耳の下が腫れて痛い」
「あごの下が腫れてきた」
「食事をすると耳の下やあごの下が痛む」
このような症状がある場合、唾液腺炎(だえきせんえん)の可能性があります。
唾液腺炎とは、唾液をつくる耳下腺・顎下腺・舌下腺などに炎症が起こる病気です。
細菌やウイルスなどによって炎症が起こるほか、唾液の通り道が悪くなって炎症を起こすこともあります。
特に、
「耳の下・あごの下が腫れる」
「押すと痛い」
「食事をすると腫れや痛みが強くなる」
といった症状は、唾液腺の病気を考える重要な手がかりです。

唾液腺とは?
唾液腺は、唾液をつくる組織です。
口の周囲には大きな唾液腺が3種類あります。
- 耳下腺:耳の前から耳の下
- 顎下腺:あごの下
- 舌下腺:舌の下
耳下腺でつくられた唾液は、細い管を通って上の奥歯付近の頬側から口の中へ流れます。
顎下腺や舌下腺でつくられた唾液は、舌の下付近から口の中へ流れます。

唾液腺炎ではどんな症状がみられる?
代表的なのは、唾液腺がある場所の腫れと痛みです。
耳下腺に炎症が起これば耳の前から下が、顎下腺に炎症が起こればあごの下が腫れることがあります。
症状によっては、
腫れ
痛み
発熱
押したときの痛み
食事のときに強くなる腫れ・痛み
などがみられます。
特に、食事をすると症状が強くなることがあります。
なぜ食事をすると腫れや痛みが強くなるの?
食事をすると、食べ物を消化しやすくするために唾液の分泌量が増えます。
正常であれば、つくられた唾液は唾液腺から細い管を通って口の中へ流れていきます。
ところが、唾液腺に炎症が起きていたり、唾液の通り道に問題があったりすると、唾液が増えたときに腫れや痛みが強くなることがあります。
そのため、
「普段より食事中の方が腫れる・痛む」
という症状は、診察の際にぜひ教えてください。

唾液腺炎の原因
唾液腺炎には、さまざまな原因があります。
主に細菌感染、ウイルス感染、免疫異常などを原因として挙げられます。特に痛みを伴う場合には感染が疑われます。
また、耳の下やあごの下が腫れる病気には、唾液腺炎以外の病気もあります。
例えば、唾石症では唾液の通り道に石ができ、唾液が流れにくくなることで、食事の際に腫れや痛みを繰り返すことがあります。
また、腫れが長期間続く場合には、唾液腺腫瘍などとの鑑別も必要になります。
したがって、単に「唾液腺炎」と決めつけるのではなく、腫れ方や痛み、経過を確認することが重要です。
耳鼻咽喉科ではどのように診察する?
まず、
どこが腫れているか
痛みがあるか
発熱があるか
食事で症状が強くなるか
何度も繰り返しているか
腫れが長く続いていないか
などを確認します。
さらに、口の中を診察し、唾液が出てくる部分の状態なども確認します。
症状と診察所見から、必要な検査を判断します。
必要に応じて検査を行います
唾液腺炎では、すべての患者さんに同じ検査を行うわけではありません。
例えば、唾液の出口から膿が出ている場合には、原因となる菌を調べる検査を行うことがあります。
また、必要に応じて血液検査を行い、
白血球
炎症反応
アミラーゼ
などを調べる場合があります。唾液腺に炎症が起こると、アミラーゼが上昇することがあります。
腫れが長く続く場合は別の病気も確認します
一時的な炎症ではなく、耳の下やあごの下の腫れが長く続いている場合には、唾石や腫瘍などが隠れていないか確認することが重要です。
状態によっては、超音波検査(エコー検査)やCT、MRIなどの画像検査が必要になることがあります。
当院では超音波検査(エコー検査)は実施しておりますが、CT・MRI検査は実施していません。
画像検査や専門的な精査が必要と判断した場合には、検査可能な総合病院などへご紹介します。
当院での唾液腺炎の治療
治療は原因によって異なります。
細菌感染が原因と考えられる場合には、抗菌薬を使用します。
また、腫れや痛み、発熱などに対して、状態に応じて消炎剤や解熱鎮痛剤などによる対症療法を行います。
一方、唾石や腫瘍など別の原因が考えられる場合には、その原因に応じた対応が必要になります。
ご家庭で気をつけること
症状があるときには、口の中を清潔に保つことが大切です。
また、レモンや梅干しなど酸味の強い食品は唾液の分泌を増やします。
唾液腺に炎症が起きているときには、唾液が急に増えることで腫れや痛みが強くなることがあるため、症状が強い間は酸っぱい食品を避けることをおすすめします。
こんな症状があるときは受診してください
特に、
耳の下・あごの下が腫れている
腫れたところが痛い
発熱を伴っている
食事をすると腫れや痛みが強くなる
同じ場所が何度も腫れる
しこりのような腫れが長く続いている
といった場合には、一度耳鼻咽喉科で確認することをおすすめします。
耳の下・あごの下の腫れは耳鼻咽喉科へ
耳の下やあごの下の腫れには、唾液腺炎だけでなく、唾石症、反復性耳下腺炎、おたふくかぜ、唾液腺腫瘍など、さまざまな原因があります。
特に、
「食事をすると痛い」
「何度も腫れる」
「なかなか腫れが引かない」
といった経過は、原因を考える重要な手がかりになります。
耳鼻咽喉科では、耳の下・あごの下だけでなく、口の中や唾液の出口なども含めて診察し、必要な検査・治療をご提案します。
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執筆・監修医師紹介

中下 陽介(なかしもようすけ)
院長・医学博士・耳鼻咽喉科専門医
耳・鼻・のどの症状でお困りの患者さんに安心して受診していただけるよう、一人ひとりの症状や生活背景に合わせた分かりやすい診療を心掛けています。
当院では、専門的な知識と経験を生かし、適切な検査・診断・治療をご提案しています。気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。
主な資格・認定
- 日本専門医機構認定耳鼻咽喉科専門医
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定補聴器相談医
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定騒音性難聴担当医
- 日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- 嚥下トレーニング協会認定講師
- 日本レセプト学会認定レセプト管理士
- 博士(医学)広島大学
- 補聴器適合判定医師




