症状
耳の表側の上半分が腫れ上がります。腫れた部分は、青紫色に見えることもあり、徐々に黄色透明になります。かゆみや、熱い感じを伴うことがありますが、痛みは軽度です。痛みが強い場合には、耳の軟骨に感染や炎症を起こしていることがあるので、早めの治療が必要です。
原因
耳を強く圧迫されたり、耳を打ち付けると、耳の皮膚の下が内出血を起こし、血液がたまって、血腫(血の塊)ができ、腫れた状態になります。格闘技や、コンタクトスポーツの競技者(柔道、相撲、ラクビー、レスリングなど)に多くみられます。耳介血腫を繰り返すと、耳の変形が起こることもあります。
当院での治療
腫れがごく軽い場合、自然に治癒することもあります。腫れが強い場合、血腫を取り除く必要があります。当院では、腫れた部分に、針を刺して血を抜き、抜いてへこんだ部分をガーゼなどで圧迫します。血腫を取り除いただけでは、再度血がたまりやすいので、ガーゼ交換をするため、週に2~3回程度の通院が必要になります。また、血が内部で固まると、針では血が抜けないため、小さく皮膚を切って、血腫を取り除く(血腫除去手術)こともあります。この手術は当院では実施しておりませんので、関連病院に紹介させていただきます。
日常生活での注意点
発症予防や再発防止のため、耳に強い刺激を与えないようにしましよう。格闘技やスポーツを行う際には、頭のサイズに合った、ヘルメットやヘッドギア等で刺激から守りましょう。治療後は数日間、運動は控えるようにしましょう。また、感染を起こすと、耳の変形を起こしやすくなるため、痛みの悪化があるときは、早めに病院に受診するようにしましょう。
執筆・監修医師紹介
院長/医学博士
楓みみはなのどクリニック 院長 中下 陽介
経歴
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- 関西医科大学 医学部医学科 卒業
- 広島大学大学院 医歯薬学総合研究科 卒業
- 広島大学関連病院勤務
- 木沢記念病院 耳鼻咽喉科 副部長
- 岐阜大学医学部付属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 助教(臨床講師)
- 中濃厚生病院 頭頸部・耳鼻咽喉科 部長
- 楓みみはなのどクリニック 院長
認定・資格
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- 日本専門医機構認定耳鼻咽喉科専門医
- 日本耳鼻咽喉科学会認定補聴器相談医
- 日本耳鼻咽喉科学会認定騒音性難聴担当医
- 日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- 博士(医学)広島大学
- 補聴器適合判定医師