肺炎球菌とは?

肺炎球菌は、中耳炎副鼻腔炎(ちくのう症)を引き起こす代表的な細菌です。また、名前の通り、まれに肺炎や髄膜炎などの重い病気を引き起こすこともあります。

肺炎球菌の特徴

肺炎球菌は、実はどこにでもいる細菌で、お子さんの多くが鼻の奥やのどに肺炎球菌を持っています。この状態を保菌といいます。保菌しているだけなら問題はありませんが、小さなお子さんは抵抗力が弱いため、比較的簡単に肺炎球菌に負けて、細菌の増殖が起き、急性中耳炎や急性副鼻腔炎になってしまいます。

検査

主に、急性中耳炎のときの耳だれ、鼻かぜや副鼻腔炎のときの色の濃い鼻水を綿棒で採取して、肺炎球菌に感染しているかどうかを調べます。

当院での治療

抗菌薬の内服や点耳薬などを使用します。最近は抗菌薬が効きにくいタイプの肺炎球菌が増加しています。特に、0~3歳くらいまでの乳幼児の急性中耳炎には抗菌薬の効きにくいタイプが多くなっており、治療が難しくなっております。そのため、どの抗菌薬をどれくらいの期間使用するかの判断が非常に重要になってきております。

肺炎球菌には何度も感染しますか?

何度でも感染します。特に保育園などで集団生活をするお子さんは、感染しやすく、何度でも中耳炎にかかることが多く、そして治りにくいのが現状です。
 

執筆・監修医師紹介

医師 中下陽介院長/医学博士
楓みみはなのどクリニック 院長 中下 陽介

経歴

    • 関西医科大学 医学部医学科 卒業
    • 広島大学大学院 医歯薬学総合研究科 卒業
    • 広島大学関連病院勤務
    • 木沢記念病院 耳鼻咽喉科 副部長
    • 岐阜大学医学部付属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 助教(臨床講師)
    • 中濃厚生病院 頭頸部・耳鼻咽喉科 部長
    • 楓みみはなのどクリニック 院長

認定・資格

    • 日本専門医機構認定耳鼻咽喉科専門医
    • 日本耳鼻咽喉科学会認定補聴器相談医
    • 日本耳鼻咽喉科学会認定騒音性難聴担当医
    • 日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
    • 日本医師会認定健康スポーツ医
    • 博士(医学)広島大学
    • 補聴器適合判定医師

院長紹介はこちら