どんな病気ですか?

病名に「先天性」とあるように生まれつきの病気で、穴の中は奥行1cmくらいの小さな袋(瘻孔)になっています。10~20人に1人の割合でみられます。片側だけの方もいれば、両側の方もいます。また、耳の前にできることが多いですが、耳の穴の中にもできることがあります。

症状

普段は耳の前に小さな穴があいているだけで症状はありませんが、細菌が穴の中に入り感染を起こすと化膿してしまい、赤く腫れて痛みます。炎症が強くなると、皮膚が破れて膿が出てくることもあります。また、穴の周りを押すと、いつも少量の膿が出るという方もいます。

当院での治療

特に症状がない場合は、治療の必要はありません。軽い赤みや腫れがある場合は、抗菌薬を内服します。また、穴の周囲を押して膿を押し出すこともあります。炎症が強くなり、赤みの範囲が拡大し、腫れが強くなった場合は、点滴により抗菌薬を投与したり、腫れている箇所を切開して膿を出し、洗浄を繰り返すこともあります。

今後について

強い炎症を何度も繰り返す場合は、手術で瘻孔を摘出し、再発しないようにします。当院では手術は行っておりませんので、手術が可能な施設に紹介させていただきます。


 

執筆・監修医師紹介

医師 中下陽介院長/医学博士
楓みみはなのどクリニック 院長 中下 陽介

経歴

    • 関西医科大学 医学部医学科 卒業
    • 広島大学大学院 医歯薬学総合研究科 卒業
    • 広島大学関連病院勤務
    • 木沢記念病院 耳鼻咽喉科 副部長
    • 岐阜大学医学部付属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 助教(臨床講師)
    • 中濃厚生病院 頭頸部・耳鼻咽喉科 部長
    • 楓みみはなのどクリニック 院長

認定・資格

    • 日本専門医機構認定耳鼻咽喉科専門医
    • 日本耳鼻咽喉科学会認定補聴器相談医
    • 日本耳鼻咽喉科学会認定騒音性難聴担当医
    • 日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
    • 日本医師会認定健康スポーツ医
    • 博士(医学)広島大学
    • 補聴器適合判定医師

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