どんな病気?

飛行機の上昇、下降の際は、急激な気圧の変化によって鼓膜の内側と外側で圧力の差が生じます。その圧力差により、鼓膜が炎症を起こす中耳炎を航空性中耳炎といいます。ダイビング高い山からの帰りでも同様のことが生じます。

症状

耳の痛み耳がポーンとつまった感じ難聴や時にめまいを起こすことがあります。これらの症状は、搭乗中に起こることもあれば、飛行機からおりてしばらくしてから起こることもあります。

飛行機に乗ると、毎回中耳炎になるの?

かぜをひいていたり、花粉症やアレルギー性鼻炎で鼻づまりがある場合、この中耳炎になりやすいです。また、老化現象(気圧変化への適応力の低下)によっても、毎回この中耳炎を起こす可能性があります。

当院での治療

炎症の程度が軽い場合は治療をしなくても自然に治りますが、炎症や症状が強いときは、抗菌薬消炎剤粘液調整薬の内服を行います。また、耳管通気療法鼓膜切開など、鼓膜や耳管への処置を行うこともあります。

予防

何よりも予防が大切です。飛行機に乗る前日くらいから、粘液調整薬を内服したり、鼻づまり用の点鼻薬を搭乗30分前と到着30分前(フライト時間が長い場合)に使用します。また、市販の気圧変動用の耳栓の使用も多少効果があるようです。
 

執筆・監修医師紹介

医師 中下陽介院長/医学博士
楓みみはなのどクリニック 院長 中下 陽介

経歴

    • 関西医科大学 医学部医学科 卒業
    • 広島大学大学院 医歯薬学総合研究科 卒業
    • 広島大学関連病院勤務
    • 木沢記念病院 耳鼻咽喉科 副部長
    • 岐阜大学医学部付属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 助教(臨床講師)
    • 中濃厚生病院 頭頸部・耳鼻咽喉科 部長
    • 楓みみはなのどクリニック 院長

認定・資格

    • 日本専門医機構認定耳鼻咽喉科専門医
    • 日本耳鼻咽喉科学会認定補聴器相談医
    • 日本耳鼻咽喉科学会認定騒音性難聴担当医
    • 日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
    • 日本医師会認定健康スポーツ医
    • 博士(医学)広島大学
    • 補聴器適合判定医師

院長紹介はこちら