家庭での室内環境の整備

発熱初期の悪寒を伴う時は、部屋を冬は温め、夏は冷やさないようにします。高熱が続くようになった時は、冬は室温を20℃まで、夏は25~27℃に下げ、湿度を50~60%にします。特に肺炎や気管支炎のように部屋の乾燥がマイナス要素となる場合、湿度の管理は重要です。

クーリング

上昇した体温を一時的にでも少し下げることは、不快感を和らげることになります。冷却ジェル剤がよく使われますが、それ以外にも冷たくしたタオルやガーゼなどを太い動脈の通っている首筋脇の下足のつけ根にあてることは、動脈がクーリング(冷や)され有効です。

 

 

 

 

 

 

 

水分補給

発熱により身体の水分は失われますので、水分補給は重要なホームケアの1つです。下痢を伴っている場合は糖分の多い水分(ジュースなど)を避けるようにしましょう。最近では、経口補水液も市販されていますので、有効に利用しましょう。

解熱薬

体温が38.5℃以上になり、機嫌が悪い、食欲が落ちるなどの症状がある時に解熱薬を使用します。医療機関で処方される解熱薬は主にアセトアミノフェン製剤で、座薬、粉薬、錠剤があり、使いやすいものをご家庭に常備しておいてください。屯用が原則で、通常は6時間以上あけて使用してください。

飲水は?

<発熱時には尿が充分に出るのを目標に水分摂取を行いましょう!!>

少量で頻回の水分摂取を心がけ、無理強いをせず、飲みなれた水分を繰り返し与えてあげましょう。ただし、水やお茶だけを多量に与えると、体液が薄まってしまいます。子供用のイオン飲料経口補水液があれば良いのですが、無ければスポーツ飲料を調整して与えても良いでしょう。具体的にはスポーツ飲料500mLにコーヒースプーン1/3の食塩を加えて、水で2倍に薄めると、経口補水液の成分に近くなります。

入浴・シャンプーは?

入浴OKの条件

◎意識がはっきりしていて、呼吸も楽そうで、機嫌も良いこと

◎ひどい「とびひ」や「じんましん」など、皮膚の炎症がないこと

入浴方法

◎お風呂場と室温の温度差を少なくし、お湯の温度は38~40℃の少しぬるめにする

10分程度で終了するように、手早く汗や汚れを落とす

◎腹部以下の半身浴とし、洗髪はしない

◎水分をふき取った後、ほてりが治まってから衣服を着る

登園登校は?

感染症時の登園登校については学校保健法に示された基準が参考になります。具体的には、インフルエンザでは解熱後2日間は登園登校を避けます。溶連菌感染症では抗菌薬治療後24時間経過し、解熱していれば登園登校可能です。一般的な風邪などでは、少なくとも1日発熱がなく、強い咳もなく、元気があり、意欲があれば登園登校しても良いでしょう。

執筆・監修医師紹介

医師 中下陽介院長/医学博士
楓みみはなのどクリニック 院長 中下 陽介

経歴

    • 関西医科大学 医学部医学科 卒業
    • 広島大学大学院 医歯薬学総合研究科 卒業
    • 広島大学関連病院勤務
    • 木沢記念病院 耳鼻咽喉科 副部長
    • 岐阜大学医学部付属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 助教(臨床講師)
    • 中濃厚生病院 頭頸部・耳鼻咽喉科 部長
    • 楓みみはなのどクリニック 院長

認定・資格

    • 日本専門医機構認定耳鼻咽喉科専門医
    • 日本耳鼻咽喉科学会認定補聴器相談医
    • 日本耳鼻咽喉科学会認定騒音性難聴担当医
    • 日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
    • 日本医師会認定健康スポーツ医
    • 博士(医学)広島大学
    • 補聴器適合判定医師

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