原因
子供のいびきの多くは、のどにある口蓋扁桃(いわゆる扁桃腺)やアデノイドが大きいことが原因となります。のどの空間が狭くなり、いびきをかくようになります。また、アレルギー性鼻炎(花粉症)や鼻かぜ、副鼻腔炎(ちくのう症)などで鼻づまりがあると、いびきをかくこともあります。
いびきがあると問題ですか?
いびきがひどくなると、息が止まってしまう無呼吸が起きるようになり、十分な睡眠が取れなくなります。そのため、起床時の不機嫌、おねしょ、昼間の活動低下、成長障害、多動、注意欠陥障害、学習障害などが現れることがあります。また、睡眠中に息を吸うときにいびきとともに胸がへこんでしまう場合、肺への空気の流入がかなり悪い状態と言えます。
いびきはいつまで続くの?
鼻が原因で起こるいびきは、薬などの治療により短期間で治まることが多いでしょう。ただし、扁桃腺やアデノイドが原因の場合、扁桃腺やアデノイドが小さくなる年齢まで続くため、10歳前後まで続くことがあります。
当院での治療
鼻が原因の場合、それぞれの鼻の病気の治療をすれば改善するでしょう。扁桃腺やアデノイドが原因の場合、扁桃摘出術やアデノイド切除術などの手術を行うことで、劇的にいびきの改善が見込めます。ただし、手術の適応は慎重に判断する必要があります。いびきが大きいだけで手術適応になることは少なく、睡眠時無呼吸が合併すると手術適応になることが多いです。お子さんのいびきが大きければ、まずは医師にご相談ください。なお、手術は当院では実施していないので、実施可能な病院に紹介させていただきます。
執筆・監修医師紹介
院長/医学博士
楓みみはなのどクリニック 院長 中下 陽介
経歴
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- 関西医科大学 医学部医学科 卒業
- 広島大学大学院 医歯薬学総合研究科 卒業
- 広島大学関連病院勤務
- 木沢記念病院 耳鼻咽喉科 副部長
- 岐阜大学医学部付属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 助教(臨床講師)
- 中濃厚生病院 頭頸部・耳鼻咽喉科 部長
- 楓みみはなのどクリニック 院長
認定・資格
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- 日本専門医機構認定耳鼻咽喉科専門医
- 日本耳鼻咽喉科学会認定補聴器相談医
- 日本耳鼻咽喉科学会認定騒音性難聴担当医
- 日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- 博士(医学)広島大学
- 補聴器適合判定医師