唾液腺腫瘍|耳の下・あごの下のしこりの原因・検査・治療
耳の下・あごの下のしこりが気になる方へ
「耳の下にしこりがある」
「あごの下が腫れている」
「以前からあったしこりが少しずつ大きくなってきた」
このような症状の原因の一つに、唾液腺腫瘍(だえきせんしゅよう)があります。
唾液腺腫瘍は、唾液をつくる「唾液腺」にできる腫瘍です。
唾液腺には、耳の前から下にある耳下腺、あごの下にある顎下腺、舌の下にある舌下腺などがあります。
特に、
耳の前・耳の下のしこり
あごの下のしこり
が長く続いている場合には、一度耳鼻咽喉科で確認することをおすすめします。

唾液腺とは?
唾液腺は、唾液をつくって口の中へ送り出す組織です。
大きな唾液腺には、
耳下腺(じかせん)
耳の前から下にあります。
顎下腺(がっかせん)
あごの下にあります。
舌下腺(ぜっかせん)
舌の下にあります。
の3種類があります。
このほか、口の中には小さな小唾液腺が多数あります。
唾液腺腫瘍ではどんな症状が出る?
代表的な症状はしこり・腫れです。
耳下腺に腫瘍ができると、
耳の前
耳たぶの下
耳の後ろに近い部分
などにしこりを感じることがあります。
顎下腺にできると、あごの下にしこりや腫れを感じます。
良性腫瘍の場合には、一般的に痛みがなく、ゆっくり大きくなっていくことがあります。
そのため、
「痛くないから大丈夫」とは限りません。
耳の下やあごの下のしこりが続いている場合には、一度診察を受けることが大切です。
唾液腺の腫れ=腫瘍とは限りません
耳の下やあごの下が腫れる原因は、唾液腺腫瘍だけではありません。
例えば、
- 唾液腺炎
- 唾石症
- リンパ節の腫れ
- のう胞
- その他の腫瘤
などでも、似たようなしこり・腫れがみられることがあります。
特に、食事のときにあごの下が腫れて痛む場合には、唾液の通り道に石ができる「唾石症」なども考えます。
したがって、しこりの場所だけで自己判断せず、診察を受けることが重要です。
唾液腺腫瘍には良性と悪性があります
唾液腺腫瘍には、良性腫瘍と悪性腫瘍があります。
耳下腺腫瘍では良性が多く、代表的な良性腫瘍として、
多形腺腫
ワルチン腫瘍
などがあります。
一方、唾液腺には悪性腫瘍が発生することもあります。
診察だけで良性・悪性を完全に判断することはできないため、必要に応じて詳しい検査を行います。
こんなしこり・症状には特に注意してください
次のような症状がある場合には、早めの受診をおすすめします。
しこりが急に大きくなってきた
しこりが硬い
しこりが動きにくい
痛みがある
顔が動かしにくい
特に耳下腺の中には顔面神経が走っています。
耳下腺のしこりに加えて、
「口元が動かしにくい」
「顔の片側が動きにくい」
などの顔面神経麻痺がみられる場合には、注意が必要です。

唾液腺腫瘍はどのように診断するの?
まず、
いつからしこりがあるか
大きくなっているか
痛みがあるか
硬さや動きはどうか
顔面神経麻痺がないか
などを確認します。
そのうえで、しこりの位置や大きさなどを診察します。
さらに詳しく調べる必要がある場合には、
超音波(エコー)検査
CT検査
MRI検査
穿刺吸引細胞診
などが行われます。
穿刺吸引細胞診とは、細い針をしこりに刺して細胞を採取し、どのような細胞が含まれているかを調べる検査です。
精密検査が必要な場合は総合病院へご紹介します
CT・MRI・穿刺吸引細胞診は当院では実施していません。
診察の結果、唾液腺腫瘍が疑われ、画像検査や細胞診などの精密検査が必要と判断した場合には、検査・治療が可能な総合病院などへご紹介します。
「大きな病院へ直接行くべきなのか分からない」という場合でも、まず耳鼻咽喉科でご相談ください。
唾液腺腫瘍の治療
治療方法は、
腫瘍の種類
良性・悪性
大きさ
発生した場所
年齢や全身状態
などによって異なります。
手術が必要と判断された場合には、手術可能な医療機関で治療を行います。
当院では唾液腺腫瘍の手術は行っていないため、手術が必要な場合には対応可能な病院へご紹介します。
良性なら放置しても大丈夫?
「良性なら、そのままでも大丈夫ですか?」
と質問されることがあります。
しかし、良性と考えられる場合でも、腫瘍の種類、大きさ、増大傾向などを考慮して治療方針を決める必要があります。
例えば、耳下腺に多い多形腺腫は長期間の経過で悪性化することがあるため、専門医療機関で適切な評価を受けることが重要です。
したがって、
「痛くない」「何年も前からある」という理由だけで放置しない
ことが大切です。
耳の下・あごの下のしこりは耳鼻咽喉科へ
耳の下やあごの下には、唾液腺だけでなくリンパ節などさまざまな組織があります。
そのため、しこりがあるからといって、必ず唾液腺腫瘍とは限りません。
一方で、痛みのないしこりでも唾液腺腫瘍のことがあります。
特に、
「耳の下にしこりがある」
「あごの下の腫れがなかなか引かない」
「以前からあるしこりが大きくなってきた」
「しこりと一緒に顔が動かしにくくなった」
などの場合には、ご相談ください。
診察のうえ、精密検査が必要と判断した場合には、適切な医療機関へご紹介します。
一宮市・尾張・西濃地域で耳・鼻・のどなどでお悩みの方へ
耳・鼻・のどなどでお困りの方は、お気軽に楓みみはなのどクリニックへご相談ください。
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執筆・監修医師紹介

中下 陽介(なかしもようすけ)
院長・医学博士・耳鼻咽喉科専門医
耳・鼻・のどの症状でお困りの患者さんに安心して受診していただけるよう、一人ひとりの症状や生活背景に合わせた分かりやすい診療を心掛けています。
当院では、専門的な知識と経験を生かし、適切な検査・診断・治療をご提案しています。気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。
主な資格・認定
- 日本専門医機構認定耳鼻咽喉科専門医
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定補聴器相談医
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定騒音性難聴担当医
- 日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- 嚥下トレーニング協会認定講師
- 日本レセプト学会認定レセプト管理士
- 博士(医学)広島大学
- 補聴器適合判定医師




