症状

ある日突然、目が閉じられない」「水を飲むと口からこぼれるといった症状が現れ、音が響く、涙が出にくい、味がわかりにくいなどの症状が現れることもあります。また、原因によっては耳が痛い、聞こえなくなる、めまいがするといった症状も現れます。

原因

末梢性顔面神経麻痺の原因はベル麻痺ハント症候群、外傷性麻痺、中耳炎、耳下腺がんなどによる麻痺などがあります。大半はベル麻痺とハント症候群が占め、体内に潜在しているヘルペスウイルス属が原因であるといわれております。

当院での治療

数種類の薬剤を組み合わせた治療法を、内服や点滴で行います。この病気に最も効果的であるステロイド剤を使用し、循環代謝改善剤ビタミンB12なども使用します。ステロイド剤については、経過とともに薬の量を徐々に減量していく治療法ですので、急に治療を止めないようお願いいたします。改善度に合わせて、約1週間~1、2カ月の治療期間を必要とします。効果がなければ手術(顔面神経減荷術)を行うことがあり、この場合は手術可能な病院に紹介させていただきます。

経過

治療効果はさまざまです。約1/3の方が治り、約1/3の方はやや改善、約1/3の方は回復がみられないという統計結果があります。麻痺の回復を妨げる要因としては、1)発症後2週間以上経過している場合2)めまいや聴力低下を伴う場合3)糖尿病や高脂血症などを合併している場合4)高齢者の場合 などがあげられます。経過によってはMRIなどにより脳の精密検査を行うこともあります。

生活上、気をつけていただくこと

睡眠不足やストレスが引き金になっていることもあり、十分な睡眠ストレスの解消が必要です。喫煙される方は禁煙をお願いしていますが、少量のアルコールは問題ありません。運動は激しい運動は避けた方がよいです。