症状
耳が聞こえにくい、耳がつまるなどといった難聴の症状が出ます。鼓膜がへこんで、裏側にある中耳の壁にくっついてしまうため、外から音が入ってきても鼓膜がきちんと振動することができないためです。
原因
滲出性中耳炎や耳管狭窄症などが長期に及び、治りきらないと耳管の機能が低下します。すると、中耳の換気が悪くなり、鼓膜が中耳側に引っ張られることにより鼓膜が中耳の粘膜に癒着します。
*正常な鼓膜
*癒着性中耳炎の鼓膜
当院での治療
癒着性中耳炎を完治させる有効な治療方法がないのが現状です。しかし、完治できなくても、悪化させないようにすることも大事なことです。当院では、対症療法として耳管通気療法を行っています。これは、鼻の奥にある耳管の入口から鼓膜に空気を送り込んで、へこんだ鼓膜を浮かせる治療です。これで効果がない場合は、鼓膜チューブ留置を行ったり、聴力の悪化が著しい場合、手術療法(鼓室形成術)を行うこともあります。当院では手術は行っておりませんので、手術が可能な病院に紹介させていただきます。
日常生活での注意点
鼻をすすらないようにしましょう。入浴や洗髪、プールなどは問題ありませんが、潜水や飛び込みは禁止です。また、耳管通気療法は頻繁に行わないと効果がないため、根気よく通院する必要があります。
執筆・監修医師紹介
院長/医学博士
楓みみはなのどクリニック 院長 中下 陽介
経歴
-
- 関西医科大学 医学部医学科 卒業
- 広島大学大学院 医歯薬学総合研究科 卒業
- 広島大学関連病院勤務
- 木沢記念病院 耳鼻咽喉科 副部長
- 岐阜大学医学部付属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 助教(臨床講師)
- 中濃厚生病院 頭頸部・耳鼻咽喉科 部長
- 楓みみはなのどクリニック 院長
認定・資格
-
- 日本専門医機構認定耳鼻咽喉科専門医
- 日本耳鼻咽喉科学会認定補聴器相談医
- 日本耳鼻咽喉科学会認定騒音性難聴担当医
- 日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- 博士(医学)広島大学
- 補聴器適合判定医師