症状

初期のうちはほとんど症状が出ません。ある程度、中耳炎が進行すると、次のような症状が現れます。

耳だれ:悪臭を伴うことがあります。

難聴:真珠腫によって鼓膜の裏にある耳小骨が破壊されると、入ってきた音を伝えることができなくなるため、聞こえが悪くなります。

 

原因

鼓膜の一部が袋状にへこんでしまい、そのへこみに堆積物がたまって、真珠のような白い塊真珠腫ができる病気です。真珠腫は骨を溶かす作用があるため、鼓膜の裏にある耳小骨や周辺の骨を破壊していきます。そのため、放置するとさまざまな合併症が現れます。

合併症

めまい:真珠腫により三半規管が破壊されると起こります。

顔面神経麻痺、味覚障害:耳小骨の近くには顔面神経や顔面神経の枝の鼓索(こさく)神経があり、この神経が真珠腫によって破壊されると顔面麻痺や味覚障害が起きます。

髄膜炎:真珠腫により脳との境目の骨が破壊されると起きます。

治療

原則は手術をして病巣を取り除くことです。病気の進行の程度により手術方法は異なります。耳内から内視鏡を用いて摘出したり、耳の後ろから切開し、骨を削って摘出するなどの方法があります。しかし、持病をお持ちの方や高齢者などは手術をせずに、耳内の清掃のみで経過をみる場合があります。手術は当院では実施しておりませんので、手術可能な病院に紹介させていただきます。
 

執筆・監修医師紹介

医師 中下陽介院長/医学博士
楓みみはなのどクリニック 院長 中下 陽介

経歴

    • 関西医科大学 医学部医学科 卒業
    • 広島大学大学院 医歯薬学総合研究科 卒業
    • 広島大学関連病院勤務
    • 木沢記念病院 耳鼻咽喉科 副部長
    • 岐阜大学医学部付属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 助教(臨床講師)
    • 中濃厚生病院 頭頸部・耳鼻咽喉科 部長
    • 楓みみはなのどクリニック 院長

認定・資格

    • 日本専門医機構認定耳鼻咽喉科専門医
    • 日本耳鼻咽喉科学会認定補聴器相談医
    • 日本耳鼻咽喉科学会認定騒音性難聴担当医
    • 日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
    • 日本医師会認定健康スポーツ医
    • 博士(医学)広島大学
    • 補聴器適合判定医師

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