アテロームとは?

別名、粉瘤(ふんりゅう)と呼ばれ、一般的には“脂肪のかたまり”といわれていますが、実際は脂肪のかたまりではありません。皮膚の下に小さな袋状のものができ、その中に皮膚の角質や皮脂がたまり、次第に大きくなったできものです。良性のできものですが、全身のどこにでもでき、ひとつと限らず複数できる場合もあります。たまった角質や皮脂は、袋の外に自然に出ることはないため、次第に大きくなることはあっても、小さくなることはありません。顔、首、背中、耳の後ろにできやすく、できものの真ん中に黒点状の開口部があり、強く圧迫すると、臭くてドロドロしたマヨネーズ状の物質が出てくることがあります。

治療

〇赤く腫れて炎症をともなう場合

抗菌薬を内服します。炎症が強い場合は、軟膏(塗り薬)を塗ったり、腫れた皮膚を少し切って膿を外に出して、炎症を鎮めます。

〇赤みや痛みを伴わない場合

できものが小さければ、様子をみても良いでしょう。

*何度も炎症を起こし赤く腫れたり、目立つような大きさになった場合は、手術で摘出することを検討した方が良いでしょう。ただし、あくまで良性のできものですから、手術をするかしないかは、医師とよく相談することをお勧めします。

どんな手術ですか?

通常、入院はせず局所麻酔で行います。大きさにもよりますが、皮膚を切開して、皮膚の下にあるできものを取り除きます。手術時間は30分程度かかります。この手術は当院では実施しておりません。治療可能な総合病院に紹介させていただきます。
 

執筆・監修医師紹介

医師 中下陽介院長/医学博士
楓みみはなのどクリニック 院長 中下 陽介

経歴

    • 関西医科大学 医学部医学科 卒業
    • 広島大学大学院 医歯薬学総合研究科 卒業
    • 広島大学関連病院勤務
    • 木沢記念病院 耳鼻咽喉科 副部長
    • 岐阜大学医学部付属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 助教(臨床講師)
    • 中濃厚生病院 頭頸部・耳鼻咽喉科 部長
    • 楓みみはなのどクリニック 院長

認定・資格

    • 日本専門医機構認定耳鼻咽喉科専門医
    • 日本耳鼻咽喉科学会認定補聴器相談医
    • 日本耳鼻咽喉科学会認定騒音性難聴担当医
    • 日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
    • 日本医師会認定健康スポーツ医
    • 博士(医学)広島大学
    • 補聴器適合判定医師

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