どんな病気?

耳から脳にかけて、明らかな病気がないにも関わらず、聴力検査のみに聴力低下がみられる場合を機能性難聴といいます。その中でも、精神的ストレスが明らかな原因であるものを心因性難聴といいます。

症状

自覚するような症状はなく、日常会話にも支障がないのが特徴です。学校の検診で初めて発見されることも少なくありません。

原因

女性学童期に多いのが特徴です。家族や友達、先生など周囲の環境におけるストレスが原因となる場合がありますが、特別な原因が見当たらないことも多くあります。

検査

通常の聴力検査では聴力低下を示しますが、耳音響反射検査(DPOAE)聴性脳幹反応検査(ABR)などの特殊検査では正常反応を示すのが特徴です。特殊検査は当院では実施できないので、総合病院に紹介します。

当院での治療

特に治療を必要としません。原因となっている精神的ストレスが軽くなれば、また、時期が来れば自然に治るものと理解してください。

保護者の方へ

患者さんご自身が行う聴力検査では異常が現れますが、実際の聞こえには問題のないことをご理解ください。また、心理的にストレスがあるようでしたら、その負担が軽くなるようサポートしてあげてください。


 

執筆・監修医師紹介

医師 中下陽介院長/医学博士
楓みみはなのどクリニック 院長 中下 陽介

経歴

    • 関西医科大学 医学部医学科 卒業
    • 広島大学大学院 医歯薬学総合研究科 卒業
    • 広島大学関連病院勤務
    • 木沢記念病院 耳鼻咽喉科 副部長
    • 岐阜大学医学部付属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 助教(臨床講師)
    • 中濃厚生病院 頭頸部・耳鼻咽喉科 部長
    • 楓みみはなのどクリニック 院長

認定・資格

    • 日本専門医機構認定耳鼻咽喉科専門医
    • 日本耳鼻咽喉科学会認定補聴器相談医
    • 日本耳鼻咽喉科学会認定騒音性難聴担当医
    • 日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
    • 日本医師会認定健康スポーツ医
    • 博士(医学)広島大学
    • 補聴器適合判定医師

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