最新の聴覚検査技術で患者さんにより良いケアを

当院では、最新の聴覚検査技術である、Diatec社のタイタンという機器を導入しました。この機器により、診察室でティンパノグラム(鼓膜の動きをみる検査)ができるだけでなく、DPOAEという検査ができるようになりました。(ディーピーオーエーイーと読みます)

DPOAE検査とは?

DPOAEとは、歪成分耳音響放射(Distortion Product Otoacoustic Emissions)の略称です。正常な内耳の外有毛細胞からは微小な音が持続的に出されており、これをOAE(耳音響放射)といいます。DPOAE検査はその中でも、特定の周波数の音(ディストーションプロダクト)を使用して内耳の機能を評価する方法です。この検査は特に赤ちゃんや小さなお子さんの難聴チェックに有効とされています。

DPOAE検査の仕組み

DPOAE 検査では、検査する耳にプローブという耳栓を挿入し、異なる周波数(1~6kHz)の音を提示します。この音に対して内耳の外有毛細胞が反応し、微小な音が発生します。この音をプローブが検出し、分析することで、内耳の健康状態を評価します。

DPOAE検査を行うメリット

◎非侵襲的かつ短時間の検査: 痛みを伴わず、短時間で実施できるため、特に乳幼児や高齢者に対しても負担が少ないです。

◎高精度な診断ができます: 内耳の外有毛細胞の機能を直接評価するため、従来の方法では検出が難しかった初期段階の難聴や特定の周波数帯域の障害を高精度で診断できます。

◎新生児スクリーニングに最適です: 新生児の難聴スクリーニングにおいて、DPOAEは標準的な検査方法として広く採用されています。早期発見・早期治療が可能となることで、言語発達やコミュニケーション能力の向上に寄与します。

◎幅広い年齢層に対応できます: この検査は通常の聴力検査と異なり、自らの意思とは関係なく客観的に評価することができるので、新生児から高齢者まで、あらゆる年齢層の方に対して実施できます

どんなときに検査が必要ですか?

◎赤ちゃんが呼びかけやおもちゃの音に反応しない

◎お子さんが呼びかけに反応しない

◎テレビやスマホの音を大きくしている

◎言葉の発達が遅い

◎就学前健診や学校健診で難聴を指摘された

◎普段は普通に聞こえているのに、聴力検査をすると難聴を指摘される

◎小さなお子さんの理解が乏しく、通常の聴力検査をすることができない

◎足腰が不自由で聴力検査室に移動して検査をすることができない

検査の費用☆保険適用です☆

3割負担の方で、約900円となります。
※初診や再診による違い、その他の診察や薬の処方があった場合は、変動することがあります。
※一宮市在住の方は、子ども医療費の助成が使えますので負担はありません

検査の注意点

※WEB当日順番予約をお取りいただき、あらかじめWEB問診に検査希望(タイタン検査希望)を入力されるか、受付や診察室で直接医師やスタッフにお伝えください。

※耳あかや中耳炎を認める場合や鼓膜にチューブを留置している場合、正しく検査することができません。これらの治療を完了してからしか検査を行うことができませんので、あらかじめご了承ください。

※お子さんが検査を行う場合、激しく泣いていたり、動いていたりすると、正しく検査することができません。ミルクや食事を食べた直後など眠くなっているタイミングで検査をすると良いです。

 

執筆・監修医師紹介

医師 中下陽介院長/医学博士
楓みみはなのどクリニック 院長 中下 陽介

経歴

    • 関西医科大学 医学部医学科 卒業
    • 広島大学大学院 医歯薬学総合研究科 卒業
    • 広島大学関連病院勤務
    • 木沢記念病院 耳鼻咽喉科 副部長
    • 岐阜大学医学部付属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 助教(臨床講師)
    • 中濃厚生病院 頭頸部・耳鼻咽喉科 部長
    • 楓みみはなのどクリニック 院長

認定・資格

    • 日本専門医機構認定耳鼻咽喉科専門医
    • 日本耳鼻咽喉科学会認定補聴器相談医
    • 日本耳鼻咽喉科学会認定騒音性難聴担当医
    • 日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
    • 日本医師会認定健康スポーツ医
    • 博士(医学)広島大学
    • 補聴器適合判定医師

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