WEB予約

  1. HOME
  2. 病気のコラム
  3. 治療、薬について
  4. 慢性的なのどの違和感、後鼻漏、咳、倦怠感、めまいなどでお悩みの方へ ~慢性上咽頭炎とBスポット療法(EAT)~

column治療、薬について

慢性的なのどの違和感、後鼻漏、咳、倦怠感、めまいなどでお悩みの方へ ~慢性上咽頭炎とBスポット療法(EAT)~

慢性的なのどの違和感、後鼻漏、咳、倦怠感でお悩みの方へ

「のどの奥がいつも痛い」
「鼻水がのどに流れる感じが続く」
「咳がなかなか治らない」
「原因不明のだるさや疲れやすさがある」

このような症状が長く続いている場合、「慢性上咽頭炎」が隠れている可能性があります。

上咽頭とは?

上咽頭は鼻の奥とのどの間にある部分です。鼻から入ってきた細菌やウイルス、異物などの侵入を防ぐ免疫組織が存在しております。正常な状態でも免疫細胞(リンパ球)が多く存在し、「生理的炎症部位」と呼ばれ、常に外敵に対する免疫反応を行っております。また、脳からのリンパ管や脳神経(舌咽神経、迷走神経、交感神経など)の通り道となっており、脳から全身へのリンパ流や神経情報伝達の中継地点としての役割を果たしているといわれています。従って、上咽頭は単なる空気の通り道ではなく、神経系・免疫系・内分泌系に影響を及ぼす、いわば全身の「健康の土台」を担う重要部位といわれています。この部位は口を開けても直接見ることができず、鼻からの内視鏡検査で初めて確認できます。そのため、慢性的な炎症があっても見逃されていることが少なくありません。

慢性上咽頭炎とは?

さまざまな原因により起きた急性炎症の状態が落ちついても、上咽頭の免疫反応が高ぶる状態が残り、さまざまな症状を引き起こすことがあり、これを慢性上咽頭炎といいます。急性炎症のときは感染に伴い、単球や好中球が増えますが、慢性炎症のときは正常のときと同様にリンパ球が多く存在しています。したがって、正常な上咽頭より過剰な免疫反応が行われているため、症状はのどの症状だけでなく、全身のさまざまな症状も引き起こすといわれております。

原因

次のようにさまざまな原因があります。

  • 細菌やウィルスなどの感染
  • ダニやほこり、カビなどによるアレルギー性鼻炎、花粉症など
  • 疲労(つかれ)、ストレスなど
  • 気温や湿度の急激な変化など

症状

慢性上咽頭炎そのものによる症状以外にも、神経系・免疫系・内分泌系に関連したさまざまな症状が起きるといわれています。

  • 慢性上咽頭炎そのものによる症状
  • 自律神経障害を中心とした神経・内分泌系障害に伴う症状
  • 自己免疫機序を介した疾患・症状

当院での治療:Bスポット療法(EAT:Epipharyngeal Abrasive Therapy)

Bスポット療法は、炎症を起こしている上咽頭に薬剤を塗布しながら擦過(こする)する治療です。最近では、EAT(イート;上咽頭擦過療法)とも呼ばれています。治療は通常、週に1~2回で、合計で10~15回程度を目安に行います。

維持療法として、月に1回定期的に行うことをお勧めしております。

当院では、1%塩化亜鉛を使用しています。

この治療には、塩化亜鉛による直接的な消炎効果や上咽頭を擦過(こする)する刺激によって血流を改善させ脳からの老廃物を排除したり副交感神経(自律神経の1つ)を刺激することによる間接的な消炎効果、擦過による出血に伴う瀉血効果(毒を出す)効果が期待できるといわれています。

具体的には

  • 炎症を抑える作用
  • 粘膜を引き締める作用
  • 局所の血流改善作用
  • 自律神経への刺激作用

などがあると考えられています。

具体的な方法

①鼻の中に麻酔液の入ったお薬を噴霧します。

②塩化亜鉛が付いた綿棒で上咽頭を擦過します。この際、痛みや出血を伴うことが多いです。注意点

・一般的には鼻とのどの両方から実施します。ただし、のどからの処置はかなり苦しいため、苦しい際は鼻からのみ実施しますので、医師にご相談ください。

・特に治療を開始した頃は痛みや出血を多く認めますが、回数を重ねる毎に効果が現れ、痛みや出血は減っていくことが多いです。したがって、根気強く通院していただくことが必要となります。

Bスポット療法実施の流れ

・初診時は、まずBスポット療法(EAT)の適応があるかどうか内視鏡検査を行います。したがって、検査でしっかりと適応を判断し、十分に説明し理解をいただいた上で行っております。また、実施中も10回実施を目途に内視鏡検査を行い、治療効果判定を行います。あらかじめご了承ください。

・治療は通常の診療で行っております。Web予約システムで予約をお取りになり、ご来院ください。診療は保険診療で行っております。

当院のBスポット療法の特徴

Bスポット療法は「薬を塗るだけ」の治療ではありません。

上咽頭は立体的な構造をしており、炎症も一部分だけでなく周囲に広がっていることが多いため、治療技術によって効果に差が出ます。

当院では、

  • 内視鏡所見を参考に炎症部位を確認
  • 綿棒の角度を細かく変えながら
  • 上咽頭の中央だけでなく
  • 上下・左右・側壁まで丁寧に擦過

することを心がけています。

単純に上咽頭の中央に薬を塗るだけではなく、炎症が残りやすい周辺部まで丁寧に治療を行うことで、より高い治療効果を目指しています。

当院での治療成績

当院では慢性上咽頭炎の患者様95名を対象に治療効果を検討しました。この内容は、第38回保団連医療研究フォーラム(リンク:第38回 医療研究フォーラム演題一覧)で演題発表しておりますので、下記動画をご参照ください。

リンク:慢性上咽頭炎に対する上咽頭擦過療法の効果の検討

その結果、

症状全体の改善率

89.5%

主な症状の改善率

  • 後鼻漏:69.2%
  • のどの痛み・違和感:67.1%
  • 咳:69.0%
  • 鼻症状:60.6%
  • いびき:67.1%
  • めまい:72.7%→めまいがなかなか治らない方へ
  • 声のかすれ:84.1%
  • 全身倦怠感:66.7%

と良好な結果を認めました。

このような方はご相談ください

✓ のどの違和感が長く続いている

✓ 後鼻漏が治らない

✓ 咳が何か月も続いている

✓ 声がかすれる

✓ 慢性的な疲労感がある

✓ 新型コロナやインフルエンザ感染後から不調が続いている

✓ 他院で異常なしと言われたが症状が改善しない

その他の治療

対症療法

消炎剤、粘液調整薬、解熱鎮痛剤などの内服を行います。

吸入治療

のどの炎症を抑える効果があります。吸入治療は週に2~3回程度行うと効果が高いので、吸入治療を行うための通院も可能です。

日常生活の注意点

普段からのうがいが大切です。うがいはのどだけでなく、鼻うがいも行って下さい。上咽頭は鼻の奥にありますので、のどうがいだけでは効果が不十分になります。のどの乾燥により上咽頭炎は引き起こしやすくなるので、夏はクーラーを下げ過ぎないように、冬は加湿器を使用して、湿度を50~60%程度に保つようにしましょう。喫煙は治療の妨げになるので、禁煙しましょう。

院長より

慢性上咽頭炎は、耳鼻咽喉科でも見逃されることがある疾患です。しかし、適切に診断し治療を行うことで改善が期待できるケースも少なくありません。長引くのどの症状や原因不明の不調でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

執筆・監修医師紹介

医師 中下陽介

院長/医学博士
楓みみはなのどクリニック 院長 中下 陽介

経歴

    • 関西医科大学 医学部医学科 卒業
    • 広島大学大学院 医歯薬学総合研究科 卒業
    • 広島大学関連病院勤務
    • 木沢記念病院 耳鼻咽喉科 副部長
    • 岐阜大学医学部付属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 助教(臨床講師)
    • 中濃厚生病院 頭頸部・耳鼻咽喉科 部長
    • 楓みみはなのどクリニック 院長

認定・資格

    • 日本専門医機構認定耳鼻咽喉科専門医
    • 日本耳鼻咽喉科学会認定補聴器相談医
    • 日本耳鼻咽喉科学会認定騒音性難聴担当医
    • 日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
    • 日本医師会認定健康スポーツ医
    • 博士(医学)広島大学
    • 補聴器適合判定医師

院長紹介はこちら

Back to top