スギ・ヒノキ花粉症とは?|飛散時期・症状・初期療法と舌下免疫療法
「2月ごろからくしゃみと鼻水が止まらない」
「毎年春になると目がかゆい」
「かぜだと思っていたら1週間以上続いている」
このような症状は、スギ・ヒノキ花粉症の可能性があります。スギ・ヒノキ花粉症は日本で最も多い花粉症で、毎年同じ時期に症状が出るのが特徴です。花粉が飛ぶ前からの治療や、体質の改善を目指す舌下免疫療法で、症状を軽くすることが期待できます。
スギ・ヒノキ花粉症とは?
スギ・ヒノキ花粉症とは、春に飛ぶスギやヒノキの花粉が原因で、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどが起こる季節性アレルギー性鼻炎です。スギとヒノキの花粉は性質が似ているため、両方に反応する方が多くいます。
スギ・ヒノキ花粉が飛ぶ時期
スギ・ヒノキの花粉は、2月中旬から5月上旬頃にかけて飛散します。
| 花粉 | 飛び始め | ピーク | 終わり |
|---|---|---|---|
| スギ | 2月中旬頃 | 3月中旬頃 | 4月中旬頃 |
| ヒノキ | 3月中旬頃 | 4月中旬頃 | 5月上旬頃 |
両方に反応する方は、3月中旬と4月中旬の2回、症状のピークがみられます。年や地域、天候によって時期は前後します。
スギ・ヒノキ花粉症の主な症状

スギ・ヒノキ花粉症の典型的な症状は、1週間以上続く次のような症状です。
- 透明な鼻水
- 鼻づまり
- くしゃみ
- 目のかゆみ、充血
- のどや耳のかゆみ、のどの痛み、長引く咳
かぜの場合は、数日でくしゃみが落ち着き、鼻水が粘り気のある色のついたものに変わるのが一般的です。
スギ・ヒノキ花粉症の原因

スギ・ヒノキ花粉症の原因は、花粉を吸い込むことで鼻や目の粘膜にアレルギー反応が起こることです。スギやヒノキの花粉は風に乗って遠くまで運ばれるため、近くに山や林がなくても症状が出ます。スギ花粉症の方の中には、トマトなどを食べたときに口やのどがかゆくなる「口腔アレルギー症候群」が起こる方もいます。
受診の目安
次のような場合は、耳鼻咽喉科の受診をおすすめします。
- 透明な鼻水やくしゃみ、目のかゆみが1週間以上続く
- 毎年春に同じ症状が出る
- 鼻づまりで眠れない、仕事や勉強に集中できない
- 市販薬で症状が改善しない
- 舌下免疫療法を検討したい(花粉の飛散期以外に相談が必要)
息苦しさやゼーゼーする呼吸がある場合や、食べ物を食べたあとに唇の腫れ・息苦しさが出た場合は、早めに医療機関を受診してください。
耳鼻咽喉科で行う検査
耳鼻咽喉科では、鼻とのどを診察し、スギやヒノキへのアレルギーがあるかを調べます。
- 耳鼻咽喉科専門医による鼻とのどの診察、必要に応じて細い内視鏡(ファイバースコープ)による観察
- アレルギー検査(ドロップスクリーン:指先からの少量の採血で、スギ・ヒノキなど多項目を調べる検査)
スギ・ヒノキ花粉症の治療
スギ・ヒノキ花粉症の治療は、症状を抑える薬物療法と、体質の改善を目指す舌下免疫療法が中心です。
薬物療法
- 花粉が飛んでいる間は抗アレルギー薬の内服を継続する
- 点鼻薬、点眼薬を併用する
- 症状が強くなりやすい方は、頓服薬を使う
- 鼻吸引・ネブライザー(霧状の薬を鼻から吸入する治療)
薬ですべての症状を抑えることは難しいため、日常生活や仕事、学業に支障がない程度に症状を抑えることを目標にします。
初期療法
症状が出る前から早めに薬を始めると、症状の出始めを遅らせたり、ピーク時の症状を軽くしたりすることが期待できます。開始の目安は、スギが1月下旬頃、ヒノキが2月下旬頃です。
スギ舌下免疫療法
スギ花粉のエキスを含む錠剤を毎日舌の下で溶かし、数年かけて体を慣らしていく治療です。花粉の飛散期には開始できないため、当院では初回の導入を原則5月中旬〜12月中旬に行っています。詳しくは舌下免疫療法のページをご覧ください。
鼻レーザー治療
鼻づまりが強い方には、鼻の粘膜をレーザーで焼いて腫れや過敏さを抑える治療もあります。花粉の飛散期を避けて行います。
日常生活での注意点

- 外出時はマスクやめがねを使い、花粉の付きにくいつるつるした素材の上着を選ぶ
- 帰宅時は玄関前で衣服の花粉を払い、手洗い・洗顔・うがいをする
- 花粉の多い日は窓を閉め、洗濯物や布団は室内干しや乾燥機を使う
- 晴れて暖かい日、風の強い日、雨の翌日は花粉が多く飛ぶため注意する
スギ・ヒノキ花粉症についてよくある質問
Q. スギ花粉症の舌下免疫療法はいつから始められますか?
A. スギの舌下免疫療法は、花粉が飛んでいる時期には開始できません。当院では、初回の導入を原則5月中旬〜12月中旬に行っています。次の花粉シーズンに備えたい方は、早めにご相談ください。
Q. 花粉症の薬はいつから飲み始めればよいですか?
A. 花粉が飛び始める前から薬を始める「初期療法」がおすすめです。目安はスギが1月下旬頃、ヒノキが2月下旬頃です。症状の出始めを遅らせたり、ピーク時の症状を軽くしたりすることが期待できます。
Q. 花粉症とかぜはどう見分けますか?
A. かぜは数日でくしゃみが落ち着き、鼻水が粘り気のある色のついたものに変わるのが一般的です。透明な鼻水やくしゃみ、目のかゆみが1週間以上続く場合は、花粉症が考えられます。
Q. スギが終わってもヒノキの時期に症状が続くのはなぜですか?
A. スギとヒノキの花粉は性質が似ているため、両方に反応する方が多くいます。その場合、3月中旬のスギと4月中旬のヒノキの2回、症状のピークがみられます。
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執筆・監修医師紹介

中下 陽介(なかしもようすけ)
院長・医学博士・耳鼻咽喉科専門医
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