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RSウイルス感染症|赤ちゃんの咳・ゼーゼー・呼吸に注意

RSウイルス感染症は、RSウイルス(RSV)によって起こる呼吸器感染症です。

こどもから大人まで何度でも感染しますが、特に注意したいのが初めて感染する乳幼児です。

2歳までにほぼすべてのこどもが一度は感染するとされ、多くは鼻水や咳などの風邪に似た症状で改善します。

一方、特に1歳未満、中でも生後6か月未満の赤ちゃんでは、細気管支炎や肺炎などを起こして重症化することがあります。

最初は、

鼻水

発熱

などから始まり、その後、

ゼーゼーする
呼吸が速くなる
呼吸が苦しそう
ミルクや水分がとれない

といった症状が現れることがあります。

RSウイルス感染症の主な症状

感染後、通常4~5日程度の潜伏期間を経て、鼻水や咳などの上気道症状から始まります。

その後、一部の乳幼児では炎症が気管支や肺へ広がり、

  • 咳が強くなる
  • ゼーゼーする
  • 呼吸が速くなる
  • 呼吸が苦しそうになる

などの症状がみられることがあります。

特に乳児では、細気管支炎によるゼーゼー(喘鳴)が特徴的です。

特に1歳未満の赤ちゃんは注意しましょう

RSウイルス感染症で特に注意したいのが1歳未満の赤ちゃんです。

中でも、

生後6か月未満
早産で生まれた
心臓や肺に基礎疾患がある

などの場合には、重症化するリスクが高くなります。

月齢の低い赤ちゃんでは、咳やゼーゼーだけでなく、呼吸状態や哺乳量をよく観察することが大切です。

こんな症状は早めに受診してください

呼吸が苦しそう
胸やみぞおちがペコペコへこむ
呼吸がとても速い
ミルクや水分が十分とれない
ぐったりしている
顔色が悪い

などがみられる場合には、早めに医療機関を受診してください。

当院ではRSウイルス抗原検査を行っています

当院では、症状や年齢、診察所見などからRSウイルス感染症が疑われる場合に、鼻から検体を採取するRSウイルス抗原検査を行っています。

鼻の中に細い綿棒を入れて検体を採取し、RSウイルスの抗原が含まれているかを調べます。

1歳未満の乳児は保険診療で検査できます

外来を受診した1歳未満の乳児で、RSウイルス感染症が疑われる場合には、RSウイルス抗原検査が保険適用となります。

一方、1歳以上の子ども全員が通常の外来で保険適用になるわけではありません。

保険診療上、RSウイルス抗原定性は、RSウイルス感染症が疑われる患者のうち、入院中の患者、1歳未満の乳児、重症化予防薬の適応となる患者などが算定対象となっています。

そのため当院では、

年齢+症状+診察所見+周囲の流行状況

などから、医師が検査の必要性と保険適用を判断します。

どんなときにRSウイルス検査を考えるの?

例えば1歳未満の赤ちゃんで、

  • 鼻水・咳・発熱がある
  • 咳がだんだん強くなっている
  • ゼーゼーしている
  • 家族や保育施設などでRSウイルスが流行している
  • 兄弟姉妹に風邪症状があり、その後赤ちゃんにも症状が出た

などの場合には、RSウイルス感染症を疑います。

ただし、1歳未満だから必ず検査を行うわけではありません。

診察で呼吸状態や全身状態などを確認し、検査が診断や治療方針の判断に必要かどうかを医師が判断します。

抗原検査が陰性ならRSウイルスではない?

RSウイルス抗原検査が陰性でも、RSウイルス感染症を完全に否定できるわけではありません。

発症からの時期、検体に含まれるウイルス量、採取状況などによって検査結果が影響を受けることがあります。

そのため、検査結果だけではなく、

症状・経過・呼吸状態・診察所見

を合わせて判断することが大切です。

RSウイルス感染症の治療

RSウイルス感染症には、一般的に使用する特効薬はありません。

治療は、鼻水・咳・発熱などの症状や全身状態に応じた対症療法が中心です。

特に赤ちゃんでは、鼻水や鼻づまりが強くなるとミルクを飲みにくくなることがあります。

家庭では、

鼻水をためない
少量ずつこまめに水分をとる
呼吸状態を観察する

ことが大切です。

呼吸状態が悪い、水分やミルクがとれないなどの場合には、入院治療が必要になることがあります。

RSウイルスはどうやって感染するの?

主な感染経路は飛沫感染と接触感染です。

咳やくしゃみだけでなく、ウイルスが付着した手、おもちゃ、手すりなどを介して感染することがあります。

特に赤ちゃんがいる家庭では、

手洗い
咳エチケット
よく触れる物の清潔を保つ
風邪症状のある家族からの感染に注意する

ことが大切です。

「冬の感染症」とは限りません

以前は「RSウイルス=冬の感染症」というイメージがありましたが、現在は流行時期が変化しています。

そのため、季節だけでRSウイルス感染症かどうかを判断することはできません。

その時期の地域の流行状況と症状を合わせて判断します。

RSウイルス感染症の予防

現在はRSウイルス感染症の重症化を防ぐための予防方法もあります。

特に2026年度からは、妊婦さんを対象としたRSウイルスワクチン(母子免疫ワクチン)が定期接種となっています。

妊娠中にワクチンを接種して母体で作られた抗体を赤ちゃんへ移行させることで、生後早期のRSウイルスによる下気道感染症を予防します。厚生労働省では妊娠28~36週を接種対象としています。

赤ちゃんの咳・ゼーゼーはご相談ください

RSウイルス感染症は、多くの場合は風邪のような症状で改善します。

しかし、1歳未満、特に生後6か月未満の赤ちゃんでは重症化することがあるため注意が必要です。

当院では、赤ちゃんの鼻水・咳・発熱・ゼーゼーなどの症状を診察し、必要に応じて鼻からRSウイルス抗原検査を行っています。

「咳がひどくなってきた」
「ゼーゼーしている」
「呼吸がいつもと違う」
「ミルクを飲む量が減った」

などがあれば、ご相談ください。

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中下 陽介(なかしもようすけ)

院長・医学博士・耳鼻咽喉科専門医

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  • 日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
  • 日本医師会認定健康スポーツ医
  • 嚥下トレーニング協会認定講師
  • 日本レセプト学会認定レセプト管理士
  • 博士(医学)広島大学
  • 補聴器適合判定医師

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