リハビリテーションといえば訓練がイメージされますが、訓練だけではなく障害をもった方が可能な限り元の社会生活を取り戻すことを意味します。それには障害自体が軽くなるように機能訓練を行う必要もありますが、それ以上に本人が日常生活の中で積極的に体を使うことが重要です。さらには体の不自由が残っても安心して生活ができるような環境を作ることが必要です。

当院では耳鼻咽喉科に関連する病気で衰えた機能障害を改善させるために、さまざまなリハビリテーションの指導をさせて頂いております。患者さんの病気や状態に応じて適切なリハビリテーションを行っております。リハビリテーションは各病気の治療の一環として行うため、保険診療での対応となります。

めまいのリハビリテーション

ヒトは目と耳と足の裏の刺激を小脳に集めて、バランス感覚をとっています。耳の病気になると、左右の耳のバランスがくずれ、めまいやふらつきが生じます。このバランスのくずれを補うのが小脳であり、「中枢代償」といいます。目や頭や足を動かすめまいリハビリテーション(平衡訓練)をすると、小脳の中枢代償が活性化し、めまいやふらつきが治りやすくなります。

めまいやふらつきが起きる原因

多くは耳の病気から起こります。その中でも一番多いのが良性発作性頭位めまい症、次に多いのがメニエール病です。その他には前庭神経炎や突発性難聴に伴うめまいなどがありますが、原因がはっきりしない病気も数多くあります。

めまいやふらつきの検査

◎眼振検査:赤外線CCDカメラを用いて、頭の位置により現れる目の揺れ(眼振)を確認して、めまいの程度や特徴を調べます

◎重心動揺検査:△の板の上に起立し、目を開けた状態と閉じた状態での平衡(バランス)感覚を調べます

◎聴力検査

めまいの原因が耳の異常かどうかを調べます低音、高音などの音の聞こえるレベルを記録します。

◎画像検査(CTやMRI検査):めまいの原因が脳の異常かどうかを調べます。脳梗塞、脳出血、脳腫瘍の存在を確認します。

◎その他

温度眼振検査、血液検査、問診、耳はなのどの診察、血圧検査など

リハビリテーションの方法

耳の病気になると、左右の耳のバランスがくずれ、めまいやふらつきが生じます。このバランスのくずれを補うのが小脳であり、「中枢代償」といいます。目や頭や足を動かすめまいリハビリテーション(平衡訓練)をすると、小脳の中枢代償が活性化し、めまいやふらつきが治りやすくなります。リハビリテーションの方法は、めまいやふらつきの特徴により、方法が異なりますので、医師の診察を受け、診断を確定させた上で行う必要があります。2週間~1か月に1回程度の通院治療となります。通院は保険診療で対応しております。

顔面神経麻痺のリハビリテーション

顔の半分が動かなくなる」「口から水がこぼれる、漏れる」「涙目になる」「味がわかりづらい」「音が響く」などの症状が、ある日突然起こる病気が末梢性顔面神経麻痺です。脳の病気ではないかと心配される方が多いですが、多くは顔面神経が脳から耳の中に出てきたところより、耳下腺の中を貫き、お顔の表面に出てくる経路のどこかに異常があることにより起こります。

顔面神経麻痺が起きる原因

末梢性顔面神経麻痺は、多くはベル麻痺ハント症候群の2種類に分類されます。ベル麻痺は特発性の麻痺であり、原因は不明です。血流障害説やウイルス関与説などが原因と考えられています。また、ハント症候群は水痘帯状疱疹ウイルスの再活性化が原因と考えられています。

顔面神経麻痺の検査

お顔の動きを数値化して評価します。主に柳原法が用いられ、顔面表情の主要な運動に傾斜配点することで、顔面表情の障害程度をバランス良く数値化します。また、電気生理学的検査として、神経刺激装置でお顔の顔面神経を直接刺激されることで生じたお顔の動きを電気信号として捉え、その左右差を測り、麻痺の障害の程度や予後を推定します。その他、聴力検査やアブミ骨筋反射検査、脳のMRI検査や耳のCT検査を行うことがあります。

リハビリテーションの方法

顔面神経麻痺のリハビリテーションは筋力を強化するためでなく、顔面の不自然な動き(病的共同運動)やひきつれ(顔面拘縮)といった後遺症を予防するために行います。したがって、他の麻痺のリハビリテーションとは異なるため、焦らずじっくり行うことが重要です。自己判断でやり過ぎたり、低周波刺激などの電気刺激を行うと、かえって顔面のひきつれを助長するためお勧めしません。リハビリテーションの方法は、医師の診察を受け、診断を確定させた上で適切な時期に行う必要があります。2週間~1か月に1回程度の通院治療となります。通院は保険診療で対応しております。

のみこみのリハビリテーション

最近のみこみにくくなった」「最近ムセやすくなった」などの症状でお悩みの方は多くみられます。これを嚥下障害(えんげしょうがい)と呼びます。特にご年配の方やのどのがんや食道がんなどでのどや食道の治療を行った方には多くみられます。のみこみが悪いことで、食事量が減ってやせる、誤嚥(ごえん)(誤って食事などが気管に入る)して肺炎を発症する、そのために寝たきりになり身体機能自体も低下するなどの問題が生じることがあります。

のみこみが悪くなる原因

原因の多くは加齢に関係あります。加齢により、のみこみに関係する首やお口周りの筋力が低下することや唾液の分泌が少なくなることなどでのみこみが悪くなります。また、のどのがんや食道がんなどで放射線療法を行うと、首やお口周りの筋力が低下したり、手術でのどや食道の一部を切除すると、正常なのどや食道の形態でなくなることでのみこみが悪くなります。

のみこみの検査

嚥下内視鏡検査を行います。内視鏡カメラで鼻からのどの食道の入口付近まで観察し、のどの動きや状態を調べたり、さらに色付きのお水や食べにくい食べ物を実際に食べているところを観察し、のみこみにくい場所を調べます。

また、嚥下造影検査を行います。レントゲンで確認できる液体(造影剤)を飲み込む場面をレントゲンで撮影して、のどの動きや食べ物が通りにくい部位はないかを調べます。当院では嚥下内視鏡検査のみ行っており、嚥下造影検査は行っておりません。

リハビリテーションの方法

原因となっている首やお口周りの筋肉を動かすトレーニングを行ったり、のみこみしやすいお食事の指導を行います。2週間~1か月に1回程度の通院治療となります。通院は保険診療で対応しております。

 

活舌(かつぜつ)のリハビリテーション

活舌が悪い」「声が小さいと人に言われる」「声が鼻にこもっている」などの症状でお悩みの方は多くみられます。特にお子さんの発音でお困りのお母さんやお父さんは多くみられます。発音が悪いことで、周りへのイメージが悪くなったり、コミュニケーションが良好に図れない、いじめや引きこもりの原因になるなどの問題が生じることがあります。

活舌が悪い原因

原因の多くは舌の動きにあります。特に舌小帯短縮症のお子さんは舌を外までしっかり出せないことで、ラ行、タ行、サ行、カ行などの話し方に障害を認めます。また、お口周りや首の筋肉やあごの骨の大きさなども関与しています。

活舌の検査

実際に舌の動き方、舌小帯短縮がないかを診察します。また、発音検査を行い、どのような音の発声が苦手なのかを調べます。

リハビリテーションの方法

一番の原因となっている舌の動きをよくするために舌やお口周りを動かすトレーニングを行ったり、実際に苦手な音の単語や文章などを読む練習などを行います。2週間~1か月に1回程度の通院治療となります。通院は保険診療で対応しております。