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後鼻漏とBスポット療法とは?|原因・症状・受診目安・治療

後鼻漏とは?

後鼻漏(こうびろう)とは、後鼻漏が鼻の奥からのど側(上咽頭)へ鼻水が流れ落ち、違和感や咳、痰のからみを生じる状態です。 正常でも鼻水は少量がのどに流れますが、量や粘りが増えると不快な症状になります。のどのイガイガ、咳ばらい、声がれ、口臭の原因になることがあります。放置で睡眠の質が落ちることもあります。

後鼻漏で鼻水が上咽頭へ流れる経路と位置関係の模式図

後鼻漏の主な症状は?

後鼻漏の症状では、のどの奥に液体が落ちる感じや痰のからみ、空咳、就寝時や起床時の咳が目立ちます。 においを伴う粘い鼻水、のどの違和感(異物感)、声のかすれ、口呼吸や口臭が気になる方もいます。小児では咳が長引く、夜間の咳で眠れない、嘔吐を伴うこともあります。

後鼻漏の原因は?

後鼻漏の原因では、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎、慢性上咽頭炎、感冒後(風邪の後)の炎症の遷延が代表的です。 アレルギーで鼻水が増えると後鼻漏が悪化しがちです。副鼻腔炎(蓄膿症)では膿性の分泌が続きやすいです。上咽頭(鼻とのどの境目)の慢性炎症は粘い分泌や痛み・違和感の原因になります。胃酸の逆流(咽喉頭逆流症)、乾燥、喫煙、粉じん環境、構造的な問題(鼻中隔彎曲など)が関与することもあります。

アレルギー体質が関与する疑いがあれば、当院では指先から少量の採血で多項目を調べられるドロップスクリーンが可能です。副鼻腔炎が疑われる場合は鼻やのどの内視鏡(ファイバースコープ)で観察したり、レントゲン検査を行います。画像精査が必要なときは専門医療機関でCTなどを依頼します。

すぐ受診してほしい症状(受診の目安)

後鼻漏であっても、強いのどの痛みや高熱、息苦しさ、血の混じる痰(喀血)、激しい頭痛や顔面痛、数週間続く嗄声・体重減少などは早めに耳鼻咽喉科を受診してください。 子どもで夜間の咳が強く眠れない、嘔吐を繰り返す、ゼーゼーする場合も相談ください。誤嚥や喘息の悪化が心配なときは早めが安心です。さらに、聞こえが急に低下した、耳がつまった感じが続く、耳鳴りが悪化する場合も早めの評価をおすすめします。

のどの痛みや違和感が中心の方は、当院ののどの痛み・違和感外来も参考になります。

耳鼻咽喉科で行う検査と診断の流れ

後鼻漏の診断では、耳鼻咽喉科で上咽頭・鼻腔の内視鏡観察と、必要に応じて副鼻腔炎やアレルギーの評価を行います。 当院では鼻やのどの細い内視鏡で炎症や分泌を直接確認します。副鼻腔炎が疑わしければレントゲンを用いる場合があります。聴力や耳管機能の評価が必要な症状(耳づまりや中耳炎反復など)があればティンパノメトリー等を組み合わせます。

アレルギーの関与が疑われる場合は血液検査(ドロップスクリーンを含む)で原因検索を行います。逆流症状が強ければ生活指導や内服の試行を行い、必要に応じて連携医療機関へ紹介を検討します。

Bスポット療法(EAT)とは?効果と適応

Bスポット療法(上咽頭擦過療法、EAT)とは、後鼻漏の背景にある慢性上咽頭炎に対して、上咽頭の炎症部位へ薬液を綿棒で塗布する処置です。 炎症を落ち着かせ、のどの違和感や後鼻漏、咳・痰などの症状の改善が期待できます。処置の際にしみる感じや出血が少量みられることがありますが、多くは短時間でおさまります。

適応は、内視鏡で上咽頭の発赤・浮腫・分泌過多がみられ、咽頭違和感や後鼻漏が持続する方です。急性の強い感染があるとき、出血しやすい病態があるときは見合わせることがあります。Bスポット療法の詳細は喉の違和感とBスポット療法もご覧ください。

Bスポット療法の流れと回数・副作用

Bスポット療法の流れは、診察と内視鏡で状態を確認し、適応を確認したうえで外来で上咽頭へ薬液を塗布します。 処置は短時間で終了します。施行後は一時的にヒリヒリ感や金属様の味、少量の出血がみられることがあります。症状や炎症の程度により、複数回の通院が必要になる場合があります。

当日は激しい運動や長時間の入浴を避け、強いうがいを繰り返さないでください。症状や体質に応じて、併用薬(点鼻薬、抗炎症薬、去痰薬など)を組み合わせます。

家庭でできる対処法と避けたいこと

後鼻漏の対処では、鼻・のどの保湿と鼻みずコントロール、生活習慣の見直しが有効です。 室内を加湿し、こまめに水分をとり、温かい飲み物でのどを潤しましょう。鼻洗浄(生理食塩水)や就寝時の頭の位置調整(やや高め)も役立ちます。アレルギー対策として寝具のダニ対策、こまめな掃除、マスク活用も有用です。

避けたいことは、強すぎる鼻うがい・過度なうがい、自己流で綿棒をのどの奥へ入れること、タバコや粉じん環境の放置です。胃酸逆流が疑われる方は、就寝3時間前以降の飲食を控え、油もの・刺激物・アルコールを減らしましょう。

内服や他の治療選択肢

後鼻漏の治療は原因に合わせて、内服(抗アレルギー薬、抗炎症薬、去痰薬など)、点鼻薬、ネブライザー、必要に応じて抗菌薬や副鼻腔炎治療を組み合わせます。 アレルギー性鼻炎が関与する場合は、季節前からの初期治療や、根本的な体質改善を目指す舌下免疫療法(スギ・ダニ)も選択肢です。解剖学的な問題が強い方や高度の副鼻腔炎がある方は、連携医療機関での精密検査・手術加療が検討されます。

当院では、耳鼻咽喉科専門医による診察、鼻・のどの内視鏡検査、ネブライザー、レントゲン検査、アレルギー検査、Bスポット療法に対応しています。

後鼻漏とBスポット療法についてよくある質問

Q. 後鼻漏は自然に治る?どれくらい続いたら受診する?

A. 風邪の後など一時的なら自然に軽快することもあります。数週間以上続く、寝入りばなや朝方に強い、色やにおいが気になる、咳やのどの違和感が生活に支障する場合は受診をおすすめします。

Q. Bスポット療法は痛い?出血は大丈夫?

A. 施行中にしみる・ヒリヒリする感じがあり、少量の出血がみられることがあります。多くは短時間でおさまります。出血しやすい方、抗凝固薬内服中の方は事前にお知らせください。

Q. 子どもにもBスポット療法はできる?

A. 症状・年齢・協力度をみて検討します。内視鏡評価と生活指導、ネブライザーや内服治療を優先することもあります。まずは診察で方針を相談します。

Q. 家での鼻うがいは毎日してもいい?

A. 生理食塩水を用いた穏やかな鼻洗浄は有用です。強すぎる圧や不適切な濃度は逆効果になるため、適切な方法で行い、痛みが増す場合は中止して相談してください。

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院長 中下陽介

中下 陽介(なかしもようすけ)

院長・医学博士・耳鼻咽喉科専門医

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