概要
誤って飲み込んだ異物がのどに引っかかった状態を咽頭異物と言い、原因は魚の骨がほとんどです。症状はのどの痛みや違和感が生じます。魚の骨は、うなぎやイワシ、アジなどの小骨が多く、ほとんどが口蓋扁桃(いわゆる扁桃腺)に刺さりますが、舌の付け根や食道の入り口に刺さることもあります。
魚の骨が刺さったらどうするの?
みなさんは魚の骨が刺さったらどうされますか?多くの方は、ご飯を飲み込んだり、ピンセットで撮ろうとします。しかし、この対応は間違いです。ご飯を飲み込むと粘膜の中に骨が入ってしまい、取れなくなったり、自分で取ろうとすると粘膜に傷ができることがあり危険です。これらはいずれも感染源となり、のどが腫れたり、膿がたまったりして、重症な感染症を引き起こし、入院治療や手術を必要とすることもあります。
対処法
・小さな骨の場合は自然に抜けたり、埋まって症状がなくなることがあります。
・大きい骨の場合は感染を起こして膿がたまり、首が腫れることがあるため、症状が続く場合、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
当院での治療
・口の中から直接ピンセットのようなもので骨を除去します。
・口の中から見えない場合、鼻から細いカメラを入れて骨を除去します。
・異物を飲み込んでから時間が経っている場合や、深く刺さってのどの粘膜の中に入っている場合は見つけられないことがあり、CT検査が必要な場合もあります。CT検査は当院では実施できませんので、実施可能な病院に紹介させていただきます。
*骨を除去する処置は「咽頭異物摘出術」という保険適応です。
執筆・監修医師紹介
院長/医学博士
楓みみはなのどクリニック 院長 中下 陽介
経歴
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- 関西医科大学 医学部医学科 卒業
- 広島大学大学院 医歯薬学総合研究科 卒業
- 広島大学関連病院勤務
- 木沢記念病院 耳鼻咽喉科 副部長
- 岐阜大学医学部付属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 助教(臨床講師)
- 中濃厚生病院 頭頸部・耳鼻咽喉科 部長
- 楓みみはなのどクリニック 院長
認定・資格
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- 日本専門医機構認定耳鼻咽喉科専門医
- 日本耳鼻咽喉科学会認定補聴器相談医
- 日本耳鼻咽喉科学会認定騒音性難聴担当医
- 日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- 博士(医学)広島大学
- 補聴器適合判定医師