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ポリープ様声帯とは?|声が低い・ガラガラ声が続く原因と治療

ポリープ様声帯とは?声が低くなった・ガラガラ声が続くときは声帯を確認しましょう

「以前より声が低くなった」
「ガラガラした声が続いている」
「声がかすれて出しにくい」

このような声の変化が続いている場合、ポリープ様声帯が原因になっていることがあります。

ポリープ様声帯は、声帯の粘膜の下にある「Reinke腔(ラインケ腔)」という部分に液体がたまり、声帯全体がぶよぶよとむくんで腫れる病気です。

英語では「Reinke’s edema(Reinke浮腫)」と呼ばれます。

特に関係が深いのが喫煙です。長期間たばこの煙による刺激を受けることで発症しやすくなります。声の酷使や咽喉頭逆流なども、発症・悪化に関与すると考えられています。

声帯はどのようにして声を出しているの?

声帯は、のどの奥にある左右一対の組織です。

呼吸をするときには左右の声帯が開き、空気の通り道を確保します。

声を出すときには左右の声帯が中央へ近づき、肺から送り出された空気によって声帯の粘膜が振動します。

この振動によって生まれた音が、のどや口の中で響いて「声」になります。

つまり、きれいな声を出すためには、声帯の粘膜が適切に振動することが大切です。

ポリープ様声帯では何が起こっているの?

声帯は単なる筋肉のひもではありません。

表面には粘膜があり、その下には振動しやすい柔らかな層があります。その一つがReinke腔です。

ポリープ様声帯では、このReinke腔に浮腫が生じ、声帯が全体的に腫れて厚くなります。

すると声帯が重くなり、正常な声帯のように振動しにくくなります。

その結果、

「声帯がむくむ」

「声帯が重くなる」

「振動のしかたが変わる」

「低くガラガラした声になる」

という変化が起こります。

ポリープ様声帯ではどんな症状が出るの?

代表的なのは声の変化です。

「声がかすれる」「ガラガラした声になる」「以前より声が低くなる」「声が出しにくい」といった症状がみられます。

特に女性では、声が以前より低くなったことをきっかけに受診する場合があります。

ポリープ様声帯では声帯の質量が増えるため、基本周波数が低下しやすいことが知られています。

また、腫れが非常に大きくなると、左右の声帯の間にある空気の通り道(声門)が狭くなり、息苦しさにつながることがあります。

最大の原因は「喫煙」です

ポリープ様声帯を考えるうえで、最も重要なのが喫煙です。

たばこの煙による慢性的な刺激は、ポリープ様声帯の主要な危険因子です。

声の酷使や胃酸咽喉頭逆流なども発症・悪化に関係すると考えられています。

したがって、

「声を使いすぎたからポリープ様声帯になった」

と単純に考えるのではなく、喫煙歴がある方では特に声帯をしっかり確認することが大切です。

ポリープ様声帯では禁煙がとても大切です

現在喫煙している方では、禁煙が治療の重要な柱になります。

ただし、すでに大きくなったポリープ様声帯が、禁煙するだけで完全に元の状態へ戻るとは限りません。

一方、手術を行った場合にも喫煙を続けていると再発などに影響するため、長期的な治療を考えても禁煙は重要です。

声がれが続くときは、鼻から細い内視鏡で声帯を確認します

ポリープ様声帯は、声を聞くだけで診断する病気ではありません。

耳鼻咽喉科では、必要に応じて鼻から細い内視鏡を入れ、声帯を直接観察します。

確認するポイントは、

  • 声帯全体のむくみ
  • 左右の腫れ方
  • 声帯の動き
  • 発声時の状態
  • 空気の通り道
  • ほかの声帯病変がないか

などです。

特に喫煙歴がある方の嗄声では、ポリープ様声帯だけと決めつけず、ほかの喉頭病変がないか確認することが重要です。

嗄声が4週間以上続く場合や、喫煙歴などのリスク因子がある場合には、喉頭を観察することが推奨されています。

ポリープ様声帯はどのように治療するの?

治療は、声帯の腫れの程度、声の症状、呼吸への影響、喫煙の有無などをみながら判断します。

まず重要なのが、原因・悪化因子への対応です。

禁煙、声の使い方の見直し、必要に応じた音声治療、胃酸逆流が関与している場合の対応などを行います。

ただし、これらだけで大きく腫れた声帯そのものが完全に元へ戻るとは限りません。

声の改善が十分でない場合や腫れが大きい場合には、手術によって余分な浮腫状組織を減らす治療が検討されます。

特に呼吸に影響するほど高度な場合には、気道確保の観点からより積極的な対応が必要になります。

当院で診察し、手術などの専門的治療が必要と判断した場合には、適切な医療機関へご紹介します。

ポリープ様声帯は喉頭がんになるの?

ポリープ様声帯そのものは良性の声帯病変です。

したがって、

「ポリープ様声帯=喉頭がん」ではありません。

ただし、ここで注意したいのが喫煙という共通の危険因子です。

ポリープ様声帯は喫煙との関係が非常に強く、喫煙者では喉頭がんなど別の病気にも注意が必要です。

そのため、「いつもの声がれだから」「ポリープ様声帯だと思うから」と自己判断せず、声がれが続く場合には声帯を確認することが大切です。

ポリープ様声帯自体に異形成・悪性病変を伴う頻度は低いとされています。

こんな場合は耳鼻咽喉科へ

声がれやガラガラ声が長く続いている、以前より明らかに声が低くなった、喫煙歴があり声が変わってきた、声が出しにくく日常生活や仕事に困っている、といった場合には一度耳鼻咽喉科で声帯を確認しましょう。

また、息苦しさや息を吸うときの異常な音など呼吸に関する症状がある場合には、早めの医療機関受診が必要です。

声の変化には、ポリープ様声帯以外にもさまざまな原因があります。

「声がれ=年齢やたばこのせい」と決めつけず、実際の声帯を確認することが大切です。

一宮市・尾張・西濃地域で耳・鼻・のどなどでお悩みの方へ

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執筆・監修医師紹介

中下 陽介(なかしもようすけ)

院長・医学博士・耳鼻咽喉科専門医

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当院では、専門的な知識と経験を生かし、適切な検査・診断・治療をご提案しています。気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。

主な資格・認定

  • 日本専門医機構認定耳鼻咽喉科専門医
  • 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定補聴器相談医
  • 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定騒音性難聴担当医
  • 日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
  • 日本医師会認定健康スポーツ医
  • 嚥下トレーニング協会認定講師
  • 日本レセプト学会認定レセプト管理士
  • 博士(医学)広島大学
  • 補聴器適合判定医師

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