鼻前庭炎とは?
鼻前庭炎は、鼻の入口に近い部分(鼻毛が生えている部分)が炎症を起こした状態のことです。ブドウ球菌などの細菌による感染が原因で、鼻ほじりや鼻のかみすぎ、鼻毛を抜いたりすることで起こります。さらに悪化した場合は「鼻せつ」といって、鼻の入口に近い部分におできが出来て、鼻の先端の皮下組織まで感染が広がることもあります。
どんな症状ですか?
炎症が軽い場合は、鼻の入口がヒリヒリする程度ですが、炎症が広がると、痛みや腫れが現れ、分泌液が出てきます。鼻毛の根元に吹き出物ができたり(毛のう炎)、鼻の入口の周辺にかさぶたが出来たりします。そのかさぶたがはがれると出血する原因になります。「鼻せつ」になると鼻が腫れ、かなりの痛みが生じます。
当院での治療
症状が軽い場合は、抗菌薬を含んだ軟膏を塗れば治りますが、炎症が強い場合は消炎剤や抗菌薬を内服したり、抗菌薬の点滴を行うことがあります。なお、「鼻せつ」など炎症がひどい場合やお薬の治療で改善されない場合は、手術によって膿を排出する処置を行わなければならないことがあります。
日常生活での注意点
毛穴から菌が入り炎症を起こすことがあるので、鼻毛を抜くのは避け、鼻毛の処理はハサミで行いましょう。汚れた手で鼻を触らないようにし、鼻水はきちんとかみましょう。
執筆・監修医師紹介
院長/医学博士
楓みみはなのどクリニック 院長 中下 陽介
経歴
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- 関西医科大学 医学部医学科 卒業
- 広島大学大学院 医歯薬学総合研究科 卒業
- 広島大学関連病院勤務
- 木沢記念病院 耳鼻咽喉科 副部長
- 岐阜大学医学部付属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 助教(臨床講師)
- 中濃厚生病院 頭頸部・耳鼻咽喉科 部長
- 楓みみはなのどクリニック 院長
認定・資格
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- 日本専門医機構認定耳鼻咽喉科専門医
- 日本耳鼻咽喉科学会認定補聴器相談医
- 日本耳鼻咽喉科学会認定騒音性難聴担当医
- 日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- 博士(医学)広島大学
- 補聴器適合判定医師