症状
耳鳴りや耳の詰まった感じとともに突然起こる回転性のめまいで、めまいが激しい場合は、吐き気やおう吐を伴うこともあります。強いめまいは数十分から半日程度で治まりますが、耳鳴りや難聴は、めまいを繰り返すうちに悪化する可能性があります。
原因
耳の一番奥にある内耳は、リンパ液で満たされています。このリンパ液の量が増えすぎると、内耳の中が水ぶくれ状態(内リンパ水腫)になり、めまいや難聴、耳鳴りが起こります。なぜリンパ液が増えすぎてしまうのかは、現在のところ不明です。
検査
*聴力検査:メニエール病と診断するために大切な検査です。また、めまいが長引いたり、再発した場合には聴力の低下が進行する場合が多いので、治療の目安として定期的に聴力をチェックする必要があります。
*眼振検査:めまいが起きている時の目の揺れ(眼振)を調べる検査です。
*重心動揺検査:平衡(バランス)感覚を調べる検査です。
当院での治療
*薬物療法
内耳の水ぶくれ状態の改善には浸透圧利尿薬や漢方薬を、内耳の循環改善には循環改善薬やビタミンB12製剤を使用します。めまいの改善には抗めまい薬を、難聴にはステロイド薬を使用する場合もあります。
*中耳加圧療法
中耳加圧療法は、鼓膜に音圧をかけることにより、中耳を経て内耳に達した圧波が中耳や内耳のリンパ液の流れを改善させ、めまいや耳鳴り、難聴を改善させる効果があります。当院では医療用鼓膜マッサージ器を使用してこの治療を行っております。週に2~3回の実施をお勧めしております。
(注)この治療は院内で行う治療ですので、自宅で行う中耳加圧装置(商標名メニエット)とは別の治療です。
*内耳の細胞のイメージ:リンパ液がたまっています
日常生活での注意点
現在のところ、メニエール病の原因は不明であるため、完全な再発の予防はできません。ただし、メニエール病はストレスや疲労、不眠が蓄積されて起こる場合が多いので、ストレスの少ない生活を心がけましょう。また、水分摂取は十分行いましょう。
執筆・監修医師紹介
院長/医学博士
楓みみはなのどクリニック 院長 中下 陽介
経歴
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- 関西医科大学 医学部医学科 卒業
- 広島大学大学院 医歯薬学総合研究科 卒業
- 広島大学関連病院勤務
- 木沢記念病院 耳鼻咽喉科 副部長
- 岐阜大学医学部付属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 助教(臨床講師)
- 中濃厚生病院 頭頸部・耳鼻咽喉科 部長
- 楓みみはなのどクリニック 院長
認定・資格
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- 日本専門医機構認定耳鼻咽喉科専門医
- 日本耳鼻咽喉科学会認定補聴器相談医
- 日本耳鼻咽喉科学会認定騒音性難聴担当医
- 日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- 博士(医学)広島大学
- 補聴器適合判定医師