子どものいびきは放置してよい?アデノイド肥大との関係
子どもが眠っているときの様子は、日中には気づきにくい体調の変化を知る手がかりになります。寝息や呼吸の仕方、寝返りの多さなどに違和感があると、病気が隠れていないか心配になる保護者の方も少なくありません。
なかでも、毎晩のように大きないびきをかく場合や、眠っている途中で呼吸が止まるような様子がある場合には注意が必要です。子どものいびきには、アデノイド肥大が関係していることがあります。ここでは、子どものいびきとアデノイド肥大の関係、原因や症状、検査、治療について解説します。
子どものいびきは放置してよい?
子どもでも、風邪による鼻づまりや体調の変化によって一時的にいびきをかくことがあります。たまに軽いいびきが聞こえる程度であれば、すぐに病気と考える必要はありません。ただ、いびきが毎晩続いている、以前より音が大きくなっているといった変化があれば、少し気にかけておきたいところです。
睡眠中に息が止まるように見えたり、苦しそうに呼吸したりしているときは、鼻やのどの空気の通り道が狭くなっている可能性があります。こうした様子が続く場合には、睡眠中の呼吸状態を確認することが大切です。
アデノイド肥大とは?
アデノイドとは、鼻の奥からのどにつながる上咽頭にあるリンパ組織で、「咽頭扁桃」とも呼ばれます。鼻や口から入ってくる細菌やウイルスなどから身体を守る免疫機能に関係しています。口を開けたときに左右に見える口蓋扁桃とは位置が異なり、口の中から直接見ることはできません。
アデノイドは子どもの成長に伴って大きくなり、4〜6歳頃に大きさのピークを迎え、その後は徐々に小さくなる傾向があります。アデノイドが大きくなり、鼻呼吸や睡眠などに影響が生じた状態がアデノイド増殖症です。
アデノイド肥大でいびきが起こる理由
鼻や口から取り込んだ空気は、鼻腔や上咽頭、のどを通って肺へ向かいます。アデノイドが大きくなると鼻の奥にある空気の通り道が狭くなります。その狭い部分を空気が通ることで周囲の組織が振動し、いびきが生じやすくなります。
特に眠っている間は、のどの周囲の筋肉が緩むため、起きているとき以上に空気が通りにくくなります。アデノイドと口蓋扁桃の両方が大きくなると、鼻の奥とのどの両方で空気が通りにくくなり、大きないびきや睡眠時無呼吸につながることがあります。
子どものいびきを起こす主な原因
子どものいびきは、アデノイド肥大だけで起こるものではありません。代表的な原因の1つが口蓋扁桃肥大です。口蓋扁桃はいわゆる「扁桃腺」で、のどの左右にある組織です。大きくなるとのどの空間が狭くなり、睡眠中の呼吸に影響することがあります。
また、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などによる鼻づまりも原因になります。鼻から呼吸しにくくなることで口呼吸が増え、いびきが生じやすくなります。このほか、肥満や顎、顔の骨格などが気道を狭くする要因となることもあります。
アデノイド肥大でみられる症状
アデノイド肥大による症状は、いびきだけではありません。鼻の奥が狭くなることで鼻呼吸がしにくくなり、日中も口呼吸が続くことがあります。睡眠中には、大きないびきや寝返りの多さ、口を開けたまま眠る、苦しそうに呼吸するといった様子がみられます。
さらに気道が狭くなると、睡眠中に呼吸が何度も止まる閉塞性睡眠時無呼吸につながることがあります。睡眠が十分にとれていないと、朝起きてもすっきりしない、日中にぼんやりする、集中しにくいといった変化が出ることもあります。子どもでは、睡眠の状態が成長や学習面に影響することもあります。
耳鼻咽喉科ではどのような検査をする?
子どものいびきで耳鼻咽喉科を受診した場合、まずいびきの頻度や睡眠中の様子などを確認します。あわせて、口蓋扁桃の大きさや鼻づまりの有無を調べ、必要に応じて鼻から細い内視鏡を入れてアデノイドの状態を確認したり、X線検査を行ったりします。
睡眠中の無呼吸が疑われる場合には、呼吸状態や酸素飽和度などを確認する睡眠検査が検討されることもあります。また、いびきや胸、あごの動きが分かる動画があると、診察時に睡眠中の状態を把握する手がかりになります。
アデノイド肥大の治療方法
アデノイドが大きいからといって、必ず手術が必要になるわけではありません。症状が軽く、睡眠中の呼吸への影響が少ない場合には、経過を観察することがあります。アレルギー性鼻炎などによる鼻づまりが関係している場合には、鼻の病気に対する治療を行います。
一方、アデノイド肥大や口蓋扁桃肥大によって気道が狭まり、閉塞性睡眠時無呼吸などが生じている場合には、手術が検討されることがあります。代表的なのがアデノイド切除術や口蓋扁桃摘出術です。治療方法は症状や検査結果などを踏まえて判断します。
子どものいびきで受診を考える目安
受診の目安となるのは、いびきの音だけでなく、頻度や睡眠中の呼吸状態です。毎晩のように大きないびきをかく、呼吸が何度も止まる、胸をへこませるように呼吸している、苦しそうに眠っているといった様子がある場合には、耳鼻咽喉科への受診を検討してください。
子どもの大きないびきの原因として、アデノイド肥大や口蓋扁桃肥大、鼻づまりなどが挙げられます。成長とともに改善するケースもありますが、睡眠や呼吸への影響が続いている場合には原因を確認することが大切です。いびきが長く続く場合や、睡眠中の呼吸に気になる変化がある場合には、耳鼻咽喉科で相談しましょう。
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執筆・監修医師紹介

中下 陽介(なかしもようすけ)
院長・医学博士・耳鼻咽喉科専門医
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- 日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
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- 日本レセプト学会認定レセプト管理士
- 博士(医学)広島大学
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