子どもが発熱したときの対応
自宅での過ごし方・解熱剤・受診の目安
お子さんが突然熱を出すと、
「すぐに病院へ行った方がいい?」
「熱は下げた方がいい?」
「お風呂に入れてもいい?」
と心配になると思います。
子どもの発熱で大切なのは、体温の数字だけを見るのではなく、お子さんの全身状態を見ることです。
熱が高くても、水分がとれていて、呼びかけにしっかり反応し、比較的元気にしている場合もあります。
一方、それほど高熱でなくても、ぐったりしている、呼吸が苦しそう、水分がとれないなどの場合には注意が必要です。
発熱は体を守る反応です

発熱は、ウイルスや細菌などの感染に対して体が起こす防御反応のひとつです。
そのため、
「熱がある=必ずすぐに下げなければならない」
というわけではありません。
体温の数字だけではなく、
✓ 元気があるか
✓ 水分がとれているか
✓ 呼吸は苦しくないか
✓ 顔色は悪くないか
✓ 眠れているか
などを見てあげることが大切です。
熱が上がり始めて寒がっているとき
熱の上がり始めには、
「寒い」
「手足が冷たい」
「ブルブル震える」
といった悪寒がみられることがあります。
このときは、無理に体を冷やす必要はありません。
毛布や衣服などで調節して、お子さんが寒くないようにしてあげましょう。
熱が上がりきって暑がっているとき
熱が上がりきると、
「暑い」
「汗をかく」
「顔が赤い」
といった状態になります。
厚着をさせすぎず、本人が楽に過ごせる衣服・室温に調整しましょう。
汗をたくさんかいた場合は、着替えをしてあげてください。
冷やした方がいいの?
冷やすこと自体が病気を治すわけではありません。
しかし、本人が
「冷やすと気持ちいい」
と感じる場合には、冷たいタオルや保冷剤などをタオルで包み、首まわり、わきの下などを冷やしてあげても構いません。
嫌がる場合には、無理に冷やす必要はありません。
冷却シートも、本人が気持ちよく感じるのであれば使用して構いませんが、貼るだけで発熱そのものを治療するものではありません。
発熱時は水分補給が大切です
発熱すると、汗や呼吸などから普段より多くの水分が失われます。
一度にたくさん飲ませようとせず、
「少量ずつ、こまめに」
水分を与えてください。
水、お茶など本人が飲めるものを基本とし、嘔吐や下痢があって脱水が心配な場合には、市販の経口補水液が適している場合があります。
食事が十分にとれなくても、短期間であればまず水分を確保することを優先します。
食事はどうしたらいい?
熱があると食欲が低下することがあります。
無理に普段と同じ量を食べさせる必要はありません。
食べられそうであれば、
- おかゆ
- うどん
- スープ
- ゼリー
- バナナ
など、本人が食べやすいものを少しずつ与えてください。
水分がとれているか、尿が出ているかを確認することの方が重要です。
解熱剤はいつ使う?

解熱剤は、病気そのものを治す薬ではありません。
熱によるつらさを和らげ、
「少し眠れる」
「水分がとれる」
「体が楽になる」
ことを目的として使用します。
そのため、体温の数字だけで使用するかどうかを決める必要はありません。
高熱でも比較的元気で、水分がとれている場合には、必ずしもすぐに使用する必要はありません。
反対に、発熱によってつらそう、眠れない、水分がとりにくいなどの場合には、医師から処方された解熱剤を指示どおり使用してください。
子どもの解熱剤はアセトアミノフェンが基本です
小児では、一般的にアセトアミノフェンが解熱・鎮痛薬として使用されます。
シロップ、粉薬、錠剤、坐薬などがあります。
処方された場合は、医師から指示された量と使用間隔を守ってください。
市販薬を含め、同じ成分を含む薬を重ねて使用しないよう注意しましょう。
お風呂に入ってもいい?
「熱があるから絶対にお風呂は禁止」というわけではありません。
元気があり、呼吸が苦しくなく、水分もとれている場合には、短時間のシャワーなどで汗を流しても構いません。
ただし、
ぐったりしている
高熱でつらそう
寒気がある
呼吸が苦しそう
といった場合は、無理に入浴させず、体を拭く程度にして休ませましょう。
こんな症状があるときは早めに受診してください
体温だけではなく、次のような症状に注意してください。
✓ ぐったりして反応が悪い
✓ 顔色が明らかに悪い
✓ 呼吸が苦しそう
✓ 水分がほとんどとれない
✓ 尿が極端に少ない
✓ 何度も吐いている
✓ けいれんした
✓ 強い頭痛がある
✓ 意識がおかしい
✓ 急速に状態が悪くなっている
このような場合には、早めに医療機関へ相談してください。
また、生後3か月未満の赤ちゃんの38℃以上の発熱は、元気そうに見えても早めの医療機関への相談・受診が必要です。
夜間や休日に受診すべきか迷った場合、日本小児科学会の「こどもの救急」でも、発熱などの症状から受診の目安を確認できます。
発熱と一緒に「耳・鼻・のど」の症状があるとき
子どもの発熱では、風邪だけでなく、
中耳炎
扁桃炎・咽頭炎
副鼻腔炎
インフルエンザなどの感染症
が原因となっていることがあります。
特に、
「耳を痛がる」
「耳をよく触る」
「鼻水・鼻づまりがひどい」
「のどを痛がる」
「咳が続いている」
などの症状がある場合は、耳鼻咽喉科でも診察できます。
保育園・幼稚園・学校はいつから?
一般的な風邪の場合には、熱が下がっただけでなく、
食事や水分がとれる、元気が戻っている、集団生活を無理なく送れる
といった全身状態を確認してから登園・登校しましょう。
インフルエンザなど、一部の感染症には出席停止期間が定められています。
例えばインフルエンザでは、
「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまで」
が学校保健安全法施行規則上の基準です。
感染症によって基準が異なるため、診断を受けた場合には医師の指示に従ってください。
子どもが熱を出したら「体温+元気さ」を見ましょう
お子さんが発熱したときに大切なのは、
① 体温だけで判断しない
② 水分を少量ずつこまめにとる
③ 暑がる・寒がるに合わせて調節する
④ 解熱剤は「つらさを和らげるため」に使う
⑤ ぐったり・呼吸・水分摂取など全身状態を確認する
ことです。
発熱は子どもによくみられる症状ですが、原因はさまざまです。
耳の痛み、鼻水、鼻づまり、のどの痛みなどを伴う場合には、耳鼻咽喉科へご相談ください。
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執筆・監修医師紹介

中下 陽介(なかしもようすけ)
院長・医学博士・耳鼻咽喉科専門医
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当院では、専門的な知識と経験を生かし、適切な検査・診断・治療をご提案しています。気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。
主な資格・認定
- 日本専門医機構認定耳鼻咽喉科専門医
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定補聴器相談医
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定騒音性難聴担当医
- 日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- 嚥下トレーニング協会認定講師
- 日本レセプト学会認定レセプト管理士
- 博士(医学)広島大学
- 補聴器適合判定医師




