RSウイルス感染症とは?
冬に流行する乳幼児の代表的な呼吸器感染症です。感染力は非常に強く、2歳頃までにほぼ100%のお子さんにかかります。一度かかっても免疫が十分にできないので何度もかかりますが、繰り返し感染しながら徐々に免疫ができ、症状は軽くなります。
症状と経過
鼻水、咳、発熱などの風邪症状があり、多くの場合1~2週間で治ります。しかし、生後6か月未満の乳児や未熟児、心臓の病気を持つ幼児では重症化しやすく、約3割の乳幼児が気管支炎や肺炎を起こすといわれています。
原因
RSウイルス感染症は、咳やくしゃみの飛沫感染と、ウイルスがついている手指や物品による接触感染の2経路があります。潜伏期間は4、5日です。
検査
のどの奥の粘膜を綿棒でぬぐって、RSウイルスがいるかどうか検査します。
*当院では検査は行っておりません。
当院での治療
特効薬はないため、対症療法が主体となります。発熱に対しては解熱薬を、ゼーゼーする症状に対しては咳止めや痰切りの薬、気管支拡張薬などを使用します。脱水気味になると、痰がネバネバになり吐き出しにくくなるので、 こまめに水分補給を行ってください。細菌感染の合併が疑われる場合は抗菌薬を使用します。
生活上の注意点
飛沫や接触により感染するので、感染した人の鼻水や痰の付いた物の扱いに注意し、手洗い、うがい、マスクの着用を行いましょう。母親からの免疫がなくなる生後3~6カ月ぐらいの乳児は免疫力が弱く重症化しやすいですので、その時期にうつらないように注意しましょう。
登園・登校について
学校保健安全法での規定はないため、本人の体調によって登園・登校の判断をします。発熱や咳がなく、体調が良ければ、登園登校は問題ないでしょう。
執筆・監修医師紹介
院長/医学博士
楓みみはなのどクリニック 院長 中下 陽介
経歴
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- 関西医科大学 医学部医学科 卒業
- 広島大学大学院 医歯薬学総合研究科 卒業
- 広島大学関連病院勤務
- 木沢記念病院 耳鼻咽喉科 副部長
- 岐阜大学医学部付属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 助教(臨床講師)
- 中濃厚生病院 頭頸部・耳鼻咽喉科 部長
- 楓みみはなのどクリニック 院長
認定・資格
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- 日本専門医機構認定耳鼻咽喉科専門医
- 日本耳鼻咽喉科学会認定補聴器相談医
- 日本耳鼻咽喉科学会認定騒音性難聴担当医
- 日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- 博士(医学)広島大学
- 補聴器適合判定医師