流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)|耳の下が腫れる・痛むとき
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)|耳の下が腫れたときは
「耳の下が腫れてきた」
「耳の下からあごにかけて痛がる」
「食べると耳の下が痛い」
このような症状があるときは、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の可能性があります。
流行性耳下腺炎は、ムンプスウイルスによって起こる感染症です。
耳の前から下にある耳下腺(じかせん)などの唾液腺に炎症が起こり、腫れや痛みが現れます。
子どもに多い病気ですが、大人が感染することもあります。

おたふくかぜではどんな症状がみられる?
代表的なのは、耳の下からあごにかけての腫れ・痛みです。
片側から腫れ始め、その後反対側も腫れることがあります。また、必ず両側が腫れるとは限りません。
そのほか、
- 発熱
- 頭痛
- だるさ
- 食欲低下
- 耳の下の痛み
- 食事や飲み込みの際の痛み
などがみられることがあります。
一方で、ムンプスウイルスに感染しても、はっきりした症状が出ないこともあります。
なぜ耳の下が腫れるの?
私たちの口の周囲には、唾液をつくる唾液腺があります。
代表的なものが、
耳下腺:耳の前から耳の下
顎下腺:あごの下
舌下腺:舌の下
です。
おたふくかぜでは、ムンプスウイルスによって主に耳下腺に炎症が起こるため、耳の下からあごのあたりがふくらんだように腫れます。
どうやって感染する?
ムンプスウイルスは、感染している人の唾液や飛沫などを介して人から人へ感染します。
感染してから症状が出るまでには時間があり、潜伏期間を2~3週間程度です。
家庭や保育園、幼稚園、学校など、子ども同士が近くで過ごす場所で感染が広がることがあります。
おたふくかぜで注意したい「難聴」
おたふくかぜで特に知っておいていただきたい合併症の一つが、難聴(ムンプス難聴)です。
ムンプスウイルスによって内耳が障害され、突然聞こえが悪くなることがあります。
多くは片耳に起こり、高度な難聴になると聴力の回復が難しいことがあります。
特に、
「テレビの音を急に大きくする」
「呼んでも反応しない」
「片耳を向けて聞こうとする」
「聞き返しが急に増えた」
などの変化があれば注意してください。
耳鼻咽喉科では、必要に応じて聴力を確認します。

ほかにも合併症があります
おたふくかぜでは、難聴以外にも合併症が起こることがあります。
代表的なものには、
- 無菌性髄膜炎
- 精巣炎
- 卵巣炎
- 膵炎
などがあります。
特に思春期以降に感染すると、精巣炎や卵巣炎などを起こすことがあるため、大人のおたふくかぜにも注意が必要です。
耳の下が腫れたら、すべておたふくかぜ?
いいえ。耳の下が腫れる原因は、おたふくかぜだけではありません。
例えば、
細菌による耳下腺炎
反復性耳下腺炎
ほかのウイルス感染症
唾液腺の病気
などでも耳下腺が腫れることがあります。
そのため、「耳の下が腫れた=おたふくかぜ」と自己判断せず、症状や経過を確認することが大切です。
おたふくかぜの検査
診察では、
耳下腺がどのように腫れているか
片側か両側か
発熱などの症状があるか
周囲でおたふくかぜが流行していないか
などを確認します。
必要に応じて血液検査などを行う場合があります。
ただし、検査の必要性は症状や経過によって異なるため、すべての患者さんに同じ検査を行うわけではありません。
おたふくかぜの治療
ムンプスウイルスそのものを直接治す一般的な特効薬はありません。
そのため、
発熱
痛み
食欲低下
などの症状に対して、解熱鎮痛薬などを使用しながら経過をみる対症療法が中心になります。
水分をしっかりとり、無理をせず休ませてあげることも大切です。
おたふくかぜはワクチンで予防できます
おたふくかぜにはムンプスワクチンがあります。
十分な予防効果を得るため2回接種が推奨され、1回目は1歳になったら早めに、2回目は小学校入学前の1年間を目安として説明しています。
ワクチンは、おたふくかぜそのものだけでなく、ムンプス難聴などの合併症を防ぐという意味でも重要です。
なお、当院ではムンプスワクチンの接種は行っておりません。
接種をご希望の場合は、実施している医療機関へお問い合わせください。
登園・登校はいつから?
学校保健安全法では、流行性耳下腺炎は出席停止の対象となります。
耳下腺などの腫れが現れた後5日を経過し、かつ全身状態が良好になるまでです。
「熱が下がったからすぐ登校」というわけではありませんので注意してください。
こんな症状があるときは早めに受診してください
おたふくかぜが疑われる場合でも、特に、
強い頭痛がある
何度も吐く
ぐったりしている
強い腹痛がある
精巣の腫れ・強い痛みがある
急に聞こえが悪くなった
といった症状がある場合は、合併症の可能性も考える必要があります。
早めに医療機関へ相談してください。
耳の下が腫れたときは耳鼻咽喉科へ
耳の下が腫れていても、おたふくかぜとは限りません。
耳鼻咽喉科では、耳下腺や顎下腺などの唾液腺を直接診察できることに加え、聞こえが気になる場合には耳の診察や聴力評価も行えます。
特に、
「耳の下が腫れている」
「耳の下を痛がる」
「おたふくかぜかもしれない」
「聞こえ方がおかしい」
という場合はご相談ください。
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耳・鼻・のどなどでお困りの方は、お気軽に楓みみはなのどクリニックへご相談ください。
耳・鼻・のどの専門医が、お子さまからご高齢の方まで、一人ひとりの症状に合わせて丁寧に診察し、必要な検査・治療をご提案いたします。
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執筆・監修医師紹介

中下 陽介(なかしもようすけ)
院長・医学博士・耳鼻咽喉科専門医
耳・鼻・のどの症状でお困りの患者さんに安心して受診していただけるよう、一人ひとりの症状や生活背景に合わせた分かりやすい診療を心掛けています。
当院では、専門的な知識と経験を生かし、適切な検査・診断・治療をご提案しています。気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。
主な資格・認定
- 日本専門医機構認定耳鼻咽喉科専門医
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定補聴器相談医
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定騒音性難聴担当医
- 日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- 嚥下トレーニング協会認定講師
- 日本レセプト学会認定レセプト管理士
- 博士(医学)広島大学
- 補聴器適合判定医師




