のどに何かある・つまる感じ|咽喉頭異常感症の原因・検査・治療
のどに何かある・つまる感じ|咽喉頭異常感症の原因・検査・治療
「のどに何か引っかかっている感じがする」
「のどがつまっている感じがする」
「飲み込んでも違和感が取れない」
「のどに痰が張りついているように感じる」
「検査をしても原因が分からず、ずっと気になっている」
このような症状を咽喉頭異常感(いんこうとういじょうかん)といいます。
痛みというよりも、
「何かある」
「つかえている」
「締めつけられている」
「イガイガする」
など、人によって感じ方が異なるのが特徴です。
咽喉頭異常感には、胃食道逆流・咽喉頭逆流、アレルギー、鼻副鼻腔炎、咽喉頭の炎症、乾燥などさまざまな原因が関係します。また、甲状腺疾患や咽頭・喉頭の腫瘍など、確認しておく必要のある病気が原因となる場合もあります。
そのため、「ストレスだろう」「気のせいだろう」と最初から決めつけず、まず耳鼻咽喉科でのどを確認することが大切です。
咽喉頭異常感症とは?
咽喉頭異常感症は、のどの周辺に通常とは違う感覚が続く状態です。
患者さんによって表現はさまざまで、
- のどに何かある
- のどに何か引っかかる
- のどがつまる
- のどが締めつけられる
- 痰が張りついている
- のどがイガイガ・チクチクする
などと感じます。
実際には、さまざまな病気によって咽喉頭異常感が起こる場合と、詳しく調べても明らかな原因を特定できない場合があります。近年の耳鼻咽喉科領域の解説では、原因を特定できる「症候性(二次性)」と、明らかな原因を特定できない「真性咽喉頭異常感症」に分類する考え方が示されています。
咽喉頭異常感にはさまざまな原因があります
「のどがおかしい」という一つの症状でも、原因は一つではありません。
① 胃食道逆流・咽喉頭逆流
胃の内容物が食道やのどの方向へ逆流し、症状に関係している場合があります。
胸やけだけではなく、
のどの違和感
咳・咳払い
声がれ
げっぷ
などを伴うことがあります。
咽喉頭異常感と胃食道逆流との関連については、日本の耳鼻咽喉科領域でも以前から検討されています。
② アレルギー
アレルギーが咽喉頭異常感に関係する場合もあります。
特に、
イガイガする
チクチクする
かゆい感じがする
咳が出る
などの症状では、アレルギーの関与も考えます。
③ 鼻・副鼻腔の病気
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などに伴い、鼻水がのどへ流れる後鼻漏などが違和感に関係している場合があります。
④ のどの炎症・乾燥
咽頭炎や喉頭炎、乾燥などによっても、
「イガイガする」
「何か張りついている」
といった症状が生じることがあります。
⑤ 甲状腺など首の病気
甲状腺疾患など、のどそのものではなく首の周囲の病気が違和感に関係することもあります。
⑥ ストレス・心理的要因
不安やストレスなどの心理的要因が、咽喉頭異常感に関係したり、症状を強く感じることがあります。
ただし、ここが重要です。
「検査をせずにストレスのせいと判断する」のではなく、まず身体的な原因がないか確認することが大切です。
咽喉頭異常感には局所的・全身的・心理的なさまざまな要因が関与することが以前から報告されています。

まず「できもの」がないか確認することが大切です
のどの違和感の多くが重大な病気によるものというわけではありません。
しかし、咽頭・喉頭などの腫瘍でも、のどの違和感が症状として現れることがあります。
そのため耳鼻咽喉科では、
「何か重大な病気が隠れていないか」
を最初に確認することが重要です。
最近の耳鼻咽喉科領域の解説でも、症候性咽喉頭異常感症として、下咽頭・喉頭や甲状腺などの頭頸部腫瘍を除外することの重要性が指摘されています。
当院では鼻から細い内視鏡でのどを確認します
咽喉頭異常感がある場合には、症状や経過を詳しくお聞きしたうえで、必要に応じて鼻から細い内視鏡を挿入して、のどの奥を観察します。
内視鏡では、
上咽頭
中咽頭
下咽頭
喉頭
声帯周辺
などを観察します。
特に、
炎症がないか
できものがないか
声帯に異常がないか
分泌物がたまっていないか
などを確認します。
症状によっては、アレルギー検査、超音波検査などを追加し、さらに詳しい検査が必要と判断した場合には専門医療機関へご紹介します。

治療は「原因」によって異なります
咽喉頭異常感症に対して、すべての患者さんに同じ薬を使用するわけではありません。
大切なのは、考えられる原因に合わせて治療することです。
例えば、
胃食道逆流・咽喉頭逆流が疑われる場合
→生活習慣への対応や、症状に応じて胃酸分泌を抑える薬などを検討します。
アレルギーが関係している場合
→抗アレルギー薬などを検討します。
鼻副鼻腔炎・後鼻漏が関係している場合
→原因となっている鼻・副鼻腔疾患を治療します。
咽喉頭の炎症などが関係している場合
→診察所見や症状に合わせた治療を行います。
明らかな原因を特定できない場合
→症状や経過を確認しながら、必要に応じて漢方薬なども含めて治療方法を検討します。
咽喉頭異常感には複数の原因が存在するため、「この薬を飲めば必ず治る」という治療ではありません。 原因を考えながら治療し、改善しない場合には診断そのものを再評価することが重要です。
症状が続く場合は再診してください
最初の診察で大きな異常がなくても、
症状が改善しない
症状が以前より強くなってきた
新しい症状が加わった
という場合には、再度確認することが大切です。
必要に応じて内視鏡による再確認や追加検査を行い、当院での評価だけでは十分でないと判断した場合には、適切な専門医療機関へご紹介します。
特に注意したい症状
単なる「のどの違和感」だけではなく、
食べ物が実際に飲み込みにくい
飲み込むと痛い
声がれが続いている
血の混じった痰が出る
首にしこりがある
体重が意図せず減ってきた
症状が徐々に悪化している
などがある場合には、早めに医療機関で原因を確認してください。
特に「何かある感じ」と、本当に食べ物が通りにくい「嚥下障害」は区別して考えることが重要です。嚥下障害については、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が2024年版診療ガイドラインを公開しています。
「気のせい」と思わず、一度のどを確認しましょう
咽喉頭異常感症では、
「こんな症状で受診していいのかな」
「何もないと言われそう」
と思われる患者さんもいらっしゃいます。
しかし、のどの違和感には、
逆流
アレルギー
鼻副鼻腔疾患
炎症・乾燥
甲状腺など首の病気
心理的要因
など、さまざまな原因が考えられます。
まず耳鼻咽喉科で鼻・のど・喉頭を確認し、身体的な原因が隠れていないか調べることが大切です。
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執筆・監修医師紹介

中下 陽介(なかしもようすけ)
院長・医学博士・耳鼻咽喉科専門医
耳・鼻・のどの症状でお困りの患者さんに安心して受診していただけるよう、一人ひとりの症状や生活背景に合わせた分かりやすい診療を心掛けています。
当院では、専門的な知識と経験を生かし、適切な検査・診断・治療をご提案しています。気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。
主な資格・認定
- 日本専門医機構認定耳鼻咽喉科専門医
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定補聴器相談医
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定騒音性難聴担当医
- 日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- 嚥下トレーニング協会認定講師
- 日本レセプト学会認定レセプト管理士
- 博士(医学)広島大学
- 補聴器適合判定医師





