のどが痛い・声がかれる|急性咽喉頭炎の症状・原因・治療
のどが痛い・声がかれる|急性咽喉頭炎の症状・原因・治療
「急にのどが痛くなった」
「声がかすれて出しにくい」
「のどがイガイガして咳が出る」
このような症状の原因の一つが、急性咽喉頭炎です。
いわゆる「のど風邪」の一つで、咽頭から喉頭にかけて急性の炎症が起こった状態です。
多くはウイルス感染に伴って起こりますが、症状だけではインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、溶連菌感染症などとの区別が難しい場合もあります。
耳鼻咽喉科では、口から見える「のど」だけでなく、必要に応じて鼻から細い内視鏡を入れ、喉頭・声帯まで確認することができます。
急性咽喉頭炎とは?
「咽頭」と「喉頭」は、どちらも一般的には「のど」と呼ばれている場所ですが、役割が異なります。
咽頭は、鼻や口の奥から食道・喉頭へつながる部分です。
一方、喉頭は咽頭の下方で咽頭に周囲を囲まれて隣接しており、声帯を含む「声を出す」「気道を守る」といった働きに関係する部分です。
風邪などをきっかけに咽頭から喉頭にかけて急性の炎症が起こった状態を、このページでは急性咽喉頭炎として説明します。
炎症の中心が咽頭にあれば「のどの痛み」、喉頭・声帯に及べば「声がれ」などが目立ちやすくなります。
急性咽喉頭炎の主な原因
最も多いのは、風邪などに伴うウイルス感染です。
厚生労働省は急性呼吸器感染症(ARI)に、咽頭炎や喉頭炎のほか、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、RSウイルス感染症などさまざまな感染症を含めています。
また、
- 大きな声を出し続ける
- 長時間話す
- 喫煙
- 乾燥した環境
- 刺激物
などによって喉頭・声帯への負担が加わり、症状が強くなることもあります。
急性喉頭炎ではウイルス性上気道感染が代表的な原因で、声の酷使も原因となります。
こんな症状がみられます
急性咽喉頭炎では、炎症の場所や程度によってさまざまな症状が現れます。
代表的なのは、
- のどの痛み
- のどのイガイガ・違和感
- 飲み込むと痛い
- 声がかれる
- 声が出しにくい
- 咳・咳払い
- 痰がからむ
- 発熱
- 身体のだるさ
などです。
特に声がれ・声の出しにくさがある場合には、炎症が喉頭や声帯まで及んでいる可能性があります。急性喉頭炎では急な嗄声や声量低下が代表的です。

耳鼻咽喉科では「のどの奥」まで確認できます
のどが痛い場合、まず口を開けてもらい、
咽頭・扁桃などの赤み、腫れ、膿の付着
などを確認します。
ただし、喉頭や声帯は口を開けただけでは十分に見えません。
声がれが強い場合、症状が長引いている場合、喉頭の状態を確認する必要がある場合などには、鼻から細い内視鏡を入れて、
① 咽頭の炎症
② 喉頭の腫れ・赤み
③ 声帯の状態
④ 声帯の動き
⑤ その他のできものがないか
などを確認します。
急性喉頭炎は臨床症状から診断されることが多い一方、症状が長引く場合などには喉頭内視鏡による評価が重要です。

必要に応じて感染症の検査を行います
「のどが痛い=すべて同じ風邪」ではありません。
症状や流行状況、年齢、診察所見などから必要性を判断して、
- インフルエンザ
- 新型コロナウイルス
- A群溶血性レンサ球菌(溶連菌)
- アデノウイルス
などの感染症を調べることがあります。
特に急性咽頭炎では、溶連菌感染症かどうかによって抗菌薬の必要性が変わります。
厚生労働省の抗微生物薬適正使用の手引きでは、急性咽頭炎の多くはウイルス性であり、GAS(A群溶血性レンサ球菌)咽頭炎が強く疑われる場合には迅速抗原検査等を行い、陽性の場合に抗菌薬治療を検討する考え方が示されています。
急性咽喉頭炎の治療
治療は、原因と症状の程度に合わせて行います。
ウイルス感染によるものでは、通常は抗菌薬を必要としません。厚生労働省も、ウイルスを病原体とする急性呼吸器感染症には抗菌薬は効かないとしています。
症状に応じて、
のどの痛み・発熱
→ 解熱鎮痛薬など
痰・咳
→ 症状に応じた薬物治療
声がれ
→ 声を休める・水分摂取など
といった治療や生活指導を行います。
細菌感染が疑われ、抗菌薬が必要と判断された場合には適切な抗菌薬を使用します。
つまり、
「のどが赤いから、とりあえず抗菌薬」ではなく、原因を考えて必要な治療を選択することが大切です。
声がかれているときは「声を休める」ことも治療です
喉頭炎によって声帯に炎症が起こっているときに無理に声を出し続けると、声帯への負担が大きくなります。
声がかれている間は、
- 大声を出さない
- 長時間話し続けない
- 水分をこまめにとる
- 喫煙を避ける
- 十分な休養をとる
ことを心がけましょう。
急性喉頭炎では、voice rest(声の安静)と十分な水分摂取が基本的な対処として挙げられています。

「ささやき声」「ひそひそ声」なら大丈夫?
声が出しにくいと、「小さなささやき声なら喉に負担がかからない」と思われるかもしれません。
ささやき声やひそひそ声は逆にのどに負担をかけてしまいます。
大切なのは、無理に声を出そうとしないことです。
仕事などでどうしても話す必要がある場合には、長時間話し続けず、休憩を入れながら必要最小限にしましょう。
このような症状は早めに受診してください
一般的な急性咽喉頭炎の多くは改善していきますが、次のような場合には別の病気や強い炎症が隠れていないか確認する必要があります。
- 息がしにくい
- 息をするときに普段と違う音がする
- 唾液も飲み込めない
- 強い嚥下痛がある
- 急速に症状が悪化している
- 高熱が続く
- 首が大きく腫れている
- 声がれが長引く
特に、呼吸が苦しい、唾液が飲み込めない、急激に症状が悪化している場合には、早急な医療機関での評価が必要です。
また、「声がれがなかなか治らない」という場合には、単なる風邪以外の声帯疾患などを除外するためにも、喉頭を直接確認することが大切です。
のどの痛み+声がれは耳鼻咽喉科へ
急性咽喉頭炎では、単に「のどが赤いか」を確認するだけでなく、
咽頭・喉頭・声帯のどこに炎症が起こっているのか
を確認することが重要です。
特に、
「のどが痛くて声もかれる」
「風邪が治っても声が戻らない」
「声が出しにくい」
といった場合には、耳鼻咽喉科でご相談ください。
必要に応じて鼻から細い内視鏡を使用し、通常は見えにくい喉頭・声帯まで確認します。
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執筆・監修医師紹介

中下 陽介(なかしもようすけ)
院長・医学博士・耳鼻咽喉科専門医
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当院では、専門的な知識と経験を生かし、適切な検査・診断・治療をご提案しています。気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。
主な資格・認定
- 日本専門医機構認定耳鼻咽喉科専門医
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定補聴器相談医
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定騒音性難聴担当医
- 日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- 嚥下トレーニング協会認定講師
- 日本レセプト学会認定レセプト管理士
- 博士(医学)広島大学
- 補聴器適合判定医師






