子どもの扁桃肥大|大きないびき・睡眠時無呼吸・飲み込みにくさに注意
子どもの扁桃肥大|大きないびき・睡眠時無呼吸・飲み込みにくさに注意
「子どもの扁桃が大きいと言われた」
「毎晩、大きないびきをかいている」
「寝ているときに、ときどき息が止まっている」
このような場合には、扁桃肥大が関係していることがあります。
扁桃が大きくても症状がなければ、必ず治療が必要になるわけではありません。
一方、扁桃が大きいために空気の通り道が狭くなると、いびきや睡眠時無呼吸などの睡眠呼吸障害を起こすことがあります。
特に、お子さんが寝ているときの呼吸は重要なチェックポイントです。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会も、子どもの大きないびきの原因としてアデノイド肥大・扁桃肥大・鼻づまりなどを挙げています。

扁桃肥大とは?
一般に「扁桃腺」と呼ばれているものは、正式には口蓋扁桃(こうがいへんとう)といいます。
口を大きく開けると、のどの奥の左右に見える組織です。
扁桃は、鼻や口から入ってくる細菌やウイルスなどに対する免疫機能を担うリンパ組織の一つです。
子どもの時期には比較的大きく、成長に伴って小さくなっていくことがあります。
ここで大切なのは、
「扁桃が大きいこと」=「病気」ではない
ということです。
扁桃が大きくても、いびきや無呼吸、飲み込みの問題などがなければ、経過をみられることもあります。

扁桃が大きくなると、なぜいびきをかくの?
左右の口蓋扁桃が大きくなると、のどの空気の通り道が狭くなります。
特に眠っているときには上気道が狭くなりやすいため、大きな扁桃やアデノイドなどが原因となって、いびきや無呼吸が起こることがあります。
ただし、子どもの睡眠呼吸障害は扁桃だけで決まるわけではありません。
アデノイド肥大、鼻づまり、肥満などが関係することもあります。
そのため、耳鼻咽喉科では扁桃の大きさだけを見るのではなく、鼻からのどまで空気の通り道を総合的に評価します。

このような症状はありませんか?
扁桃肥大による影響は、夜間のいびきだけではありません。
特に確認していただきたいのが次のような症状です。
- 毎晩のように大きないびきをかく
- 寝ている途中で呼吸が止まる
- 息苦しそうに眠っている
- 胸やみぞおちをへこませるように呼吸する
- 何度も寝返りをする、寝相が非常に悪い
- 口を開けて寝ている
- 朝起きてもすっきりしない
- 日中ぼーっとしている
- 落ち着きがない
- 食事に時間がかかる
- 固いものなどを飲み込みにくそうにする
子どもの睡眠呼吸障害では、成長、行動、学習などへの影響も評価することが重要です。
扁桃摘出術を検討する小児では、成長障害、学業上の問題、夜尿、行動上の問題などについても確認することが推奨されています。

「いびきだけ」でも受診した方がいいの?
たまに疲れた日にいびきをかく程度であれば、必ずしも病気とは限りません。
一方、
毎晩のように大きないびきをかく
呼吸が止まる
息苦しそうにしている
という場合には、一度耳鼻咽喉科で原因を確認することをおすすめします。
子どもが大きないびきをかくことは通常ではなく、扁桃肥大・アデノイド肥大・鼻づまりなどが隠れていることがあります。
可能であれば、受診前に寝ているときの呼吸やいびきをスマートフォンで動画撮影しておくと、診察時の参考になります。
耳鼻咽喉科では何を調べるの?
まず口の中を診察し、
「扁桃がどのくらい大きいか」
を確認します。
さらに、いびきや鼻づまりなどがある場合には、必要に応じて鼻や上咽頭を確認し、アデノイド肥大など他の原因についても評価します。
大切なのは、
扁桃の大きさだけで治療を決めないこと
です。
実際のいびきや無呼吸、呼吸の苦しさ、食事への影響などと合わせて判断します。

睡眠時無呼吸が疑われる場合
大きないびきや睡眠中の無呼吸がある場合には、小児の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)がないか評価することが重要です。
当院では、症状や診察所見などから必要性を判断し、睡眠検査を行っています。
睡眠検査では、睡眠中の呼吸状態などを調べ、いびきや睡眠時無呼吸の有無や程度を評価します。
なお、すべての扁桃肥大のお子さんに睡眠検査が必要というわけではありません。
手術の必要性が不明確な場合や、診察所見と症状の強さが一致しない場合などには、手術前の睡眠検査が特に重要になります。

扁桃肥大は治療が必要?
扁桃が大きいという理由だけで治療するわけではありません。
扁桃が大きくても、
「いびきをかかない」
「睡眠中の呼吸に問題がない」
「食事や飲み込みに困っていない」
などの場合には、経過観察となることがあります。
一方、扁桃肥大によって睡眠時無呼吸などの明らかな問題が生じている場合には、手術を検討します。
睡眠検査で閉塞性睡眠時無呼吸が確認され、扁桃・アデノイド肥大が主な原因と考えられる小児では、口蓋扁桃摘出術やアデノイド切除術が代表的な治療となります。
手術をすると必ず治るの?
手術によって睡眠呼吸障害の改善が期待できますが、すべてのお子さんで完全に症状がなくなるとは限りません。
肥満、頭蓋顔面形態などほかの要因が関係している場合には、手術後にも睡眠呼吸障害が残ったり、再び現れたりすることがあります。
そのため、手術後にも症状が続く場合には再評価が必要です。
当院での診療方針
当院では、
① 扁桃の大きさを確認
↓
② いびき・無呼吸・鼻づまり・食事などの症状を確認
↓
③ 必要に応じて睡眠検査
↓
④ 経過観察または治療方針を検討
という流れで評価します。
扁桃が大きいだけで、すぐに手術をおすすめするわけではありません。
一方、睡眠時無呼吸が確認されるなど、手術による治療が適切と判断した場合には、入院・手術が可能な専門医療機関へご紹介します。

お子さんの「寝ているときの呼吸」を確認してください
扁桃肥大で最も注意したいのは、扁桃の見た目の大きさそのものではなく、呼吸や睡眠にどの程度影響しているかです。
特に、
大きないびき
睡眠中に息が止まる
苦しそうに呼吸する
胸をへこませながら呼吸する
といった様子がある場合には、一度耳鼻咽喉科へご相談ください。
「扁桃が大きいと言われたけれど、手術が必要なのだろうか?」という場合も、症状と診察所見を確認しながら判断していきます。
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執筆・監修医師紹介

中下 陽介(なかしもようすけ)
院長・医学博士・耳鼻咽喉科専門医
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当院では、専門的な知識と経験を生かし、適切な検査・診断・治療をご提案しています。気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。
主な資格・認定
- 日本専門医機構認定耳鼻咽喉科専門医
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定補聴器相談医
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定騒音性難聴担当医
- 日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- 嚥下トレーニング協会認定講師
- 日本レセプト学会認定レセプト管理士
- 博士(医学)広島大学
- 補聴器適合判定医師




