声帯結節とは?|声がかすれる・ガラガラ声が続く原因と治療
声帯結節とは?声がかすれる・声をよく使うと悪化する場合は声帯を確認しましょう
「声がかすれて治らない」
「たくさん話したあとに声が出しにくくなる」
「仕事で声を使っていると、だんだん声がガラガラしてくる」
このような症状が続いている場合、声帯結節が原因になっていることがあります。
声帯結節は、声の使いすぎや無理な発声などによって声帯に繰り返し負担がかかり、左右の声帯のほぼ同じ位置に小さな隆起ができる良性の病変です。
イメージとしては、手に繰り返し摩擦が加わることでできる「ペンだこ」に似ています。
特に、保育士・教員・歌手など日常的に声をよく使う方や、大きな声を出すことの多いお子さんなどにみられます。

声帯はどのようにして声を出すの?
声帯は、のどの奥にある左右一対の組織です。
呼吸するときには左右の声帯が開いて、肺へ空気を通します。
声を出すときには左右の声帯が中央へ近づき、肺から送り出された空気によって声帯の粘膜が振動します。
この振動によって「声」のもとになる音が生まれます。
そのため、声帯を適切に振動させることが、無理のない発声にはとても大切です。
声帯結節はどうしてできるの?
声帯結節では、声帯の同じ場所に繰り返し強い負担がかかることが重要です。
大声を出す、長時間話し続ける、力んで発声するなどの状態が続くと、発声のたびに左右の声帯が繰り返し接触します。
すると、
声帯に繰り返し負担がかかる
↓
声帯の粘膜が刺激される
↓
左右の声帯のほぼ同じ位置に小さな隆起ができる
↓
声帯がきれいに振動しにくくなる
という変化が起こります。
声帯結節は「声帯ポリープ」と異なり、典型的には左右両側に対称性に生じることが特徴です。成人女性歌手を対象とした研究でも、声帯結節は両側性病変として診断されています。

声帯結節ではどんな症状が出るの?
代表的な症状は声がれ(嗄声)です。
「声がかすれる」「ガラガラした声になる」「声が出しにくい」といった症状がみられます。
また、
- 長く話していると声が出しにくくなる
- 夕方になると声がかすれる
- 大きな声が出しにくい
- 高い声が出しにくい
- 歌いにくくなった
など、声を使ったときに症状が目立つことがあります。

どんな人に声帯結節ができやすいの?
声を日常的によく使う方では、声帯への負担が大きくなります。
例えば、保育士・幼稚園教諭・学校の先生・歌手・接客業など声を使う機会が多い方では注意が必要です。
スポーツなどで頻繁に大声を出す子どもにもみられます。
ただし、単純に「声をたくさん出す=声帯結節になる」というわけではありません。
大切なのは声の量だけではなく、声の出し方です。
力んだ発声や叫び声を繰り返す、騒がしい場所で無理に大きな声を出すといった使い方も声帯への負担になります。
声帯結節では「声の使い方」を見直すことが大切です
声帯結節の治療では、声帯への負担を減らすことが重要です。
ただし、単純に「一切しゃべらない」ということではありません。
日常生活の中で、
無理に大声を出さない・長時間連続して話さない・声が疲れたら休む・水分を適度にとる
など、声帯に負担の少ない使い方を身につけることが大切です。

声がれが続くときは内視鏡で声帯を確認します
声がれには、声帯結節以外にもさまざまな原因があります。
そのため、声の症状だけから「声帯結節だろう」と判断するのではなく、実際の声帯を確認することが大切です。
耳鼻咽喉科では、必要に応じて鼻から細く柔らかい内視鏡を入れて声帯を観察します。
確認するのは、
声帯に結節があるか
左右のどの位置にあるか
声帯がきちんと動いているか
発声時にどのように閉じるか
ほかの声帯病変がないか
などです。

声帯結節はどのように治療するの?
声帯結節では、まず声帯への負担を減らし、声の使い方を見直すことが基本になります。
特に重要なのが音声治療(声のリハビリ)です。
単純に「声を出さないようにする」だけではなく、必要に応じて、呼吸と発声のバランスや力みの少ない声の出し方などを練習します。
声帯結節などの音声障害では音声治療が第一選択の一つとされ、子どもの声帯結節についても行動的な音声治療による改善を支持する研究があります。
一方、治療しても症状が改善しない場合などには、病変や声の状態を再評価し、必要に応じて専門医療機関での治療を検討します。
すべての声帯結節に手術が必要なわけではありません。

子どもの声がれにも声帯結節があります
声帯結節は成人だけの病気ではありません。
よく叫ぶ、大きな声で遊ぶ、スポーツで頻繁に声を出すといったお子さんにもみられます。
「元気だから声がガラガラしているだけ」
「子どもだからそのうち治るだろう」
と決めつけず、声がれが長く続く場合には、一度声帯を確認することをおすすめします。
小児声帯結節に対する音声治療については、直接的な発声訓練と、声の衛生指導などを組み合わせた治療が研究されています。

声がれが続くときは耳鼻咽喉科へ
声帯結節は良性の病変ですが、声がれの原因がすべて声帯結節とは限りません。
「声がれが続いている」「仕事で声を使うと悪化する」「以前より声が出しにくい」「子どものガラガラ声がなかなか治らない」といった場合には、一度耳鼻咽喉科で声帯を確認しましょう。
声帯の状態を確認したうえで、声帯を休ませるだけでよいのか、声の使い方を変える必要があるのか、音声治療が適しているのかを考えていくことが大切です。
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執筆・監修医師紹介

中下 陽介(なかしもようすけ)
院長・医学博士・耳鼻咽喉科専門医
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- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定補聴器相談医
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定騒音性難聴担当医
- 日本めまい平衡医学会認定めまい相談医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- 嚥下トレーニング協会認定講師
- 日本レセプト学会認定レセプト管理士
- 博士(医学)広島大学
- 補聴器適合判定医師




