ウイルス抗体検査

過去にそのウイルスに感染していたかを調べる検査です。ウイルスに感染すると、体内で抗体というタンパク質が作られており、これが血液中に存在するかを調べます。体内に抗体ができるまでには時間がかかり、現在そのウイルスに感染していないことの検査に用いることは難しいとされています。ウイルスに感染した場合だけでなく、ワクチンを打ったことによって抗体ができた場合にも陽性となります。抗体には5種類ありますが、感染症の検査に必要なのは2種類で、IgMIgGという抗体です。

IgMは抗原つまり病原体が侵入した後に、最初につくられる抗体で、発症から約1週間前後で抗体量が増え、検査で陽性となります。一方、IgGは発症から3~4週間経過してから陽性となります。

ウイルス検査の種類

PCR検査

ウイルスに特徴的な一部分の「遺伝子の配列」を検出する検査

抗原検査

ウイルス特有のタンパク質(抗原)を検出する検査

抗体検査

血液中のウイルスに対する抗体の有無を調べる検査

*当院ではPCR検査は実施しておりません

当院で実施しているウイルス抗体検査

◎新型コロナウイルスIgG抗体

◎ムンプスウイルスIgG抗体

◎風疹ウイルスIgG抗体

◎麻疹ウイルスIgG抗体

◎水痘・帯状疱疹ウイルスIgG抗体

他ウイルスで気になるものがあれば、ご相談の上、対応させていただきます

実施時期

検査時間:約5分かかります

*特に決まった時期はありませんので、ご希望の日時にご受診ください。

*通常診療の間に実施しますので、通常の予約方法でご来院いただき、「ウイルス抗体検査希望」であることを受付のスタッフにおつたえください。

*通常診療の込み具合により、ご希望の時間に実施できない可能性、待ち時間が発生する可能性がありますので、予めご了承下さい。

検査費用

ウイルス抗体検査は自由診療に該当しますので、保険診療の対応はできません。

検査結果

検査より1週間後以降に通常の予約方法でご来院いただき、検査結果を説明させていただきます。

*検査結果の説明は検査費用に含まれておりますので無料です。

*当院では抗体検査は可能ですが、上記ウイルスのワクチン接種は行っておりません

*検査結果につきましては、電話でのお問い合わせにはお答えできません。

*検査結果で異常所見を認める場合、治療や追加の検査を行う必要がありますので、一度当院にご受診ください。このご受診に関しましては保険診療で対応可能です。保険証を必ずお持ちください。

新型コロナウイルス

2019年末頃より発生が報告され、以後世界的な感染拡大を引き起こしたウイルスです。現在も、日本では新規感染者が多く報告されており、緊急事態宣言が出されるなど、日常生活に支障をきたし、不便な生活を強いられる日々が続いております。その中で感染拡大を防ぐためにワクチン接種が進められている最中ですが、最近の報道では2回接種後も数カ月すると抗体量が減少していくことが報告されており、3回目の接種も検討されております。そこで、下記のような方もいらっしゃると思います。このような場合、ウイルス抗体検査を受けて、十分な抗体ができているか確認しましょう。

*当院では抗体検査は可能ですが、上記ウイルスのワクチン接種は行っておりません

ムンプスウイルス

ムンプスウイルスはいわゆる「おたふくかぜ」の原因ウイルスです。おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)はムンプスウイルスに感染することにより起こる病気です。おたふくかぜにかかるのは主にウイルスに対する免疫を持っていない子供で、発症すると発熱し、耳の下にある耳下腺や顎下腺という唾液腺が腫れて、痛みを伴います。ほとんどが10日程度で後遺症無く自然治癒します。しかし、下記のような合併症が起きることもあり、注意が必要です。

ムンプス難聴のほとんどが高度な一側性難聴であり、小さいお子さんは症状を訴えないため、難聴に気がつかれないままに経過してしまうこと、難聴に気がついた時には原因不明の一側性難聴と診断される可能性が高いです。もし、発症してすぐ適切な治療を行ったとしても、治りにくく後遺症として高度難聴が残ることが多い病気です。したがって、おたふくかぜはワクチンによる予防が大切です。しかし、日本ではおたふくかぜワクチンは任意接種(希望者のみ、有料)であり接種率は約30%しかないといわれています。したがって、下記に当てはまる方は、ワクチンの接種をご検討ください。

ムンプスワクチンは、接種が基本で、1歳以降に接種することができます。1回目と2回目の間は、最低でも1か月以上間隔を空けます。任意接種ですので、自己負担が必要です。

*当院では抗体検査は可能ですが、上記ウイルスのワクチン接種は行っておりません

すでにおたふくかぜにかかった方やワクチンを接種した方の中には、子どもの頃の記憶があいまいとなり、下記のような方もいらっしゃると思います。このような場合、ウイルス抗体検査を受けて、十分な抗体ができているか確認し、必要ならワクチン接種をすることを検討しましょう。

風疹ウイルス

風疹ウイルスは、大人や子供がかかっても、重篤な合併症を生じることなく自然に治癒することが多いです。しかし、特に妊娠初期(胎児器官形成期))に感染すると、死産や重篤な合併症が胎児に生じます。一度赤ちゃんに障害が生じると、成長してからも永続的な影響を及ぼすことが多く、総称して先天性風疹症候群(せんてんせいふうしんしょうこうぐん)と呼びます。この病気の治療法はないため、これから妊娠を希望する女性が風疹の免疫を獲得しておくことが最も重要な予防方法です。

現在、風疹ワクチンは、2回接種が基本で、定期接種(公費)として1歳以降に接種することができます。また、自己負担で生後6か月からでも受けられます。

*当院では抗体検査は可能ですが、上記ウイルスのワクチン接種は行っておりません

平成2年4月2日以降に生まれた人は2回、公費でワクチンを受ける機会がありましたが、昭和37年度から平成元年度に生まれた女性及び昭和54年度から平成元年度に生まれた男性は受けていても1回です。そして、昭和54年4月1日以前に生まれた男性は1回もその機会がなく、十分な免疫を持たない人が多いと考えられます。下記のような方はウイルス抗体検査を受けて、十分な抗体ができているか確認し、必要ならワクチン接種をすることを検討しましょう。

麻疹ウイルス

麻疹は、「はしか」とも呼ばれる感染力が強い病気です。麻疹ウイルスに感染すると10~12日間の潜伏期の後に発熱と風邪症状が現れ、その後、おでこや耳の後ろ、首などに赤い発疹ができて全身に広がりますが、通常であれば発症から7~10日間で回復します。しかし、重症化すると肺炎や脳炎などを引き起こしたり、細菌感染を合併して中耳炎などを同時に発症することも少なくありません。また、一般的に子供のときにかかったときよりも、大人になってからかかったほうが、より症状が重くなると言われています。現在、麻疹ワクチンは、2回接種が基本で、定期接種(公費)として1歳以降に接種することができます。

*当院では抗体検査は可能ですが、上記ウイルスのワクチン接種は行っておりません

水痘・帯状疱疹ウイルス

水痘帯状疱疹ウイルスは水痘(水ぼうそう)や帯状疱疹の原因ウイルスです。水痘は9歳以下の子どもがかかることが多く、発症すると強いかゆみを伴う発疹が全身に広がります。発熱を伴うこともありますが、発疹以外の症状は比較的軽く、発疹も1週間前後で水ぶくれからかさぶたとなって剥がれ落ち、自然に回復します。水痘は子供の頃にかかることが多く、日本人の9割が水痘・帯状疱疹ウイルスを持っていると言われています。しかし、大人がかかると重症化することが多くなります。

また、水痘が治った後も、ウイルスは脊髄から出る神経節に潜んでいます。普段は体の免疫力によりウイルスの活動が抑えられているため発症しませんが、免疫力が低下するとウイルスは再び活動、増殖しはじめます。そして、ウイルスは神経の流れに沿って神経節から皮膚へと移動し、帯状に痛みや発疹が出る帯状疱疹を発症します。帯状疱疹ウイルスは、疲労ストレス加齢などにより免疫力が低下しているときい、再活動、増殖しやすくなります。帯状疱疹の治療が遅れたり、治療しなかったりした場合、全身に症状が出たり、重い後遺症を残すことがあります。

日本人では、50代から帯状疱疹の発症率が高くなります。水痘にかかって抗体を持っていても、50代からは免疫力が弱まるため、50代、60代、70代と発症率は増加し、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹になるといわれています。したがって、水痘・帯状疱疹はワクチンによる予防が大切です。したがって、下記に当てはまる方は、ワクチンの接種をご検討ください。

水痘ワクチンは2回接種が基本で、1歳になったらすぐに(1歳3ヵ月までに)1回目を接種します。しっかりと免疫をつけるために、最低3ヵ月以上(多くは6ヵ月~1年)の間隔をあけて2回目を接種します。2014年(平成26年)10月1日から定期接種(公費)ですので、それ以前の任意接種の方では、接種されていない方もいらっしゃると思われます。

また、帯状疱疹ワクチンは50歳以上の方が原則対象になります。任意接種ですので、自己負担が必要です。過去に帯状疱疹にかかっていても接種できます。ワクチンは、乾燥弱毒生水痘ワクチン(ビケン)と、乾燥組み換え帯状疱疹ワクチン(シングリックス)の2種類があります。

下記のような方はウイルス抗体検査を受けて、十分な抗体ができているか確認し、必要ならワクチン接種をすることを検討しましょう。

*当院では抗体検査は可能ですが、上記ウイルスのワクチン接種は行っておりません